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“神様”の予言的中…鹿島FW土居が初ハット「和製ジーコということで喜びたい(笑)」

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3ゴールの鹿島アントラーズMF土居聖真

[5.15 J1第14節 鹿島5-3横浜FM カシマ]

 メモリアルマッチの主役となったのは、Jリーグ創設初年度に生まれた28歳の生え抜きアタッカーだった。試合後、鹿島アントラーズのMF土居聖真はプロ入り後初のハットトリックに「サッカー人生でもいつ最後にしたのか覚えていないし、プロでは生涯することないと思っていた。サポーター、家族、チームメート、スタッフに感謝したい」と喜びを語った。

 この日は1993年5月15日に開幕したJリーグの28回目の記念日。国内に二つだけしかない降格未経験のオリジナル10同士で組まれた注目の一戦は、国内最多タイトルを誇る鹿島が横浜F・マリノスとの打ち合いを制した。

 1点を先行される苦しい展開の中で逆転に導いたのは、1992年にリーグ戦に先行されて行われたナビスコ杯開幕年に生まれた土居だった。

 このメモリアルマッチに「縁を感じる」と臨んでいたという土居。まずは前半40分に「コースを目掛けて上に蹴れたのがイメージどおり」という同点ゴールを突き刺すと、後半開始直後にはGKとの1対1を「一回身体を開いてファーサイドに蹴る場所をつくって、ニアサイドに振れた」と冷静に沈めた。

 さらに後半8分には今月1日の横浜FC戦で相手GKに止められた嫌な記憶も残るPKを、今度は自らのキックで決めた。「スンテさん(GKクォン・スンテ)から相手GKの情報も入っていた。PKになる前に決めますと言っていたけど、どっちも取れて良かった」。これで土居はプロ初のハットトリック。鹿島の日本人選手では2006年のMF野沢拓也以来となる快挙となった。

 またメモリアルマッチでのハットトリックといえば、28年前のJリーグ開幕節(同年5月16日に開催)にクラブレジェンドの“神様”ジーコ氏が名古屋戦で成し遂げた偉業がいまも語り継がれている。地元記者にそのことを問われた土居は、試合前のジーコ氏とのエピソードを次のように明かした。

「ジーコさんから試合前、聖真が点を取るよって言われていて、これは本当の話で。普段は点に関しては言われないけど、今日はたまたま『取るよ』と言ってもらっていた。終わった後に抱き合って喜びましたし、『僕は1点って言ったんだけどまさか3点取るとは思わなかった』って言ってもらえて嬉しかった」。

 その上で土居は「ジーコさんも28年前にここでそういう歴史をつくってくれたことがありがたいことです」と感慨深げ。さらに続けて「今日は“和製ジーコ”ということで喜びたいと思います」と笑顔も見せた。

 山形県出身の土居は中学時代から鹿島の育成組織に入り、そこからクラブ一筋18年。これまでJリーグで積み重ねてきた歴史の象徴的な選手だ。

「下部組織から鹿島でお世話になっているけど、学生の時から口酸っぱくどんな時も90分間勝利のために犠牲心を持って戦えと言われていたし、表現できているかわからないが、引っ張っていかないといけない自覚は増している。今日も負けている状況だったが、自分がチームを勝たせられればと感じていた。たまたま今日は3点決めたけど、苦しい状況でチームを救える選手になっていきたい」。記念すべき一戦で大活躍を見せた28歳は、新たな決意を語った。

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