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ユース取材ライター陣が推薦するインターハイ予選注目の11傑vol.3

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川端氏が推薦するFW吉田晃盛(九州国際大付高3年)

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『インターハイ予選注目の11傑』」

 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)の都道府県予選が各地で熱戦展開中。ゲキサカでは「インターハイ予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣にインターハイ予選注目の11選手を紹介してもらいます。第3回はサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長で育成年代からJリーグまで幅広く取材する川端暁彦氏による11人です。

川端暁彦氏「コロナ禍もあって難しいシーズンになったと言われたのが昨年でした。選手権は何とか開催できたように公式戦はある程度行えましたが、下級生やBチームの非公式戦機会は制限され、遠征も行えないといった不自由がありました。こうした実戦機会の減少に加え、地域や学校によっては練習機会にも制限を受けています。今季、そうした影響がまったくないと言えばウソになるでしょう。ただ、その中でもサッカーへの情熱を失うことなく自分を磨き続ける選手たちがいて、そういった選手たちの熱いプレーを観る機会を得ることができるのは本当に幸せなことだと再度実感してもいます。今回はポジションにもキャリアにもこだわらずに11人を選んではみましたが、他にもまだまだ挙げたい選手もいれば、私の知らない名手もたくさんいることでしょう。何とも難しい時世ではありますが、その中でも、あるいはその中だからこそ伸びてくる個性があり、磨かれるタレントがいるとも確信しています。総体はもちろん、いろいろな大会でそうした選手たちと出会えるのを、あらためて楽しみにしています」

以下、川端氏が推薦する11名
GKデューフエマニエル凛太朗(流通経済大柏高2年)
入学してきた当初は台頭まで時間が掛かるのではないかと観られていたが、長足の進歩を遂げてレギュラー奪取、そしてU-17日本代表候補入りも掴み取った。持ち前の運動能力の高さに加えて勘の良さも光り、ここぞのビッグセーブでチームを後ろから支える。

DF本間温士(昌平高3年)
実効性のあるプレー選択も光る超攻撃派の快足サイドバック。いわゆる“昌平らしい”といった言葉で思い浮かべるような技巧派とは違うが、それゆえに個性も際立つ。スピード豊かに縦へとぶち抜き、決定機を作り出す。

DF宝納拓斗(佐賀東高2年)
ビルドアップを大切にする佐賀東にあって、左CBに位置するこの2年生は欠かせないキーマンだろう。左足のロングフィードは目を惹く質の高さがある。守備時のタフネスがさらに増せばよりハイレベルなステージも狙える可能性は十分。それが問われる夏になる。

DF抜水昂太(神村学園高3年)
サイドバックが肝とも言える神村学園のサッカースタイルにあって抜群の存在感を見せる左翼の要石。中盤でもプレーできる選手だけに確かな技術が売りで、外を突くだけでなく、インサイドでもプレー可能。守備に回っても、高いドリブル対応能力で対面を封殺する。

DF海老沼慶士(米子北高3年)
スピード豊かに左サイドを疾駆し、左足からの鋭いクロスで決定機も演出する左SB。その速さを活かして守備の1対1でも見せる。鉄壁の伝統を持つ米子北らしいディフェンスを磨きつつ、“もうひと化け”を期待したいタレントだ。

MF廣井蘭人(帝京長岡高2年)
変幻自在のボールさばきに加え、時にスタンドから試合を観ている側の予測をも上回っていくアイディアの引き出し、取られそうで取られない独特の間合いと、“何かしてくる”怖さを常に漂わせるファンタジスタ。そのプレーは一見の価値あり。

MF田村仁志(明桜高3年)
センスあふれるパスさばきで攻撃のタクトを握りつつ、タイミング良く前線にも絡んでいける攻撃派のボランチ。夏の全国切符獲得、そしてその先を狙う上で不可欠の支柱だろう。青森山田中出身だけに、全国舞台での対戦が実現すれば、熱い戦いとなりそうだ。

MF笠柳翼(前橋育英高3年)
ボールと会話するような独特の技巧と不思議なリズムで攻撃のビートを刻む攻撃的MF。5月のU-18日本代表候補に各年代を通じて初招集を受けたが、そこでも確かな個性を揺るがず発揮。メンタル面で逞しくなったこともしっかり示した。

FW永長鷹虎(興國高3年)
鷹なのか虎なのか判然としない名前を持つが、プレーのほうも対面したDFに「どっちやねん」と惑わせる引き出しの多いドリブルが売り。周りを活かすプレーも光るが、やはり俊敏かつ技巧的に「仕掛けてナンボ」のドリブラーである。

FW吉田晃盛(九州国際大付高3年)
強健なボディと闘魂を兼ね備える前線の大黒柱。少々無理な体勢でパスが来ても“何とかしてしまう”ボディコントロール能力の高さを武器に、起点となりながらゴールへも迫る。伝統の14番に加えキャプテンマークも預かり、チームへの責任感も増した。

FW渡邊星来(青森山田高3年)
キラ星のごときタレントが揃う東日本の横綱チームにあって、今季一躍急台頭を遂げている元気印のストライカー。ゴールへゴールへと気持ち良いまでに迫っていくスタイルでチームを引っ張る。「成長力」にこだわる青森山田らしさを体現する男。

執筆者紹介:川端暁彦
 サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。「#蹴球メガネーズ」

●【特設】高校総体2021

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