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「身体だったら絶対に負けない」常勝軍団の右サイドバック。青森山田DF大戸太陽が王座奪還への道筋を照らす

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青森山田高不動の右サイドバック、DF大戸太陽

[5.23 プレミアリーグEAST第7節 清水ユース 1-3 青森山田 J-STEP]

 開幕7連勝を飾ったチームの中で、全試合にフル出場している選手は全部で6人。その一角を占めるこの男も、チームに欠かせない重要なピースとして、成長曲線を右肩上がりに伸ばしている。「山田はみんな良い選手ばかりですけど、その中で自分が見劣りしないように、どんどん突き抜けて、攻撃で輝けるような選手になっていきたいです」。青森山田高の右サイドバック。DF大戸太陽(3年=Uスポーツクラブ出身)が眩い光を放ち始めている。

 首位攻防戦となった、この日の清水エスパルスユース戦。対面の相手に押し込まれている前半の自分が、大戸には我慢できなかった。「チームとしては前半で1点獲れて折り返せたので良かったですけど、個人として何本も縦にやられていたので、『後半は取り返さなきゃ』という気持ちで臨みました」。

 それでも、ただ強い気持ちだけを携えてピッチに帰った訳ではない。「最初はマークを受け渡しながらやっていたんですけど、それだとちょっと遅れて、ボールを付けられる場面が多かったので、後半は(藤森)颯太もしっかり相手に付かせて、自分もしっかり付いていって、(松木)玖生や(宇野)禅斗の背後を消しながら、ボールが入ってくる所を潰せるようにやっていきました」。後半はほとんど自身のサイドを崩されず、安定したプレーを披露。1失点は喫したものの、3-1の勝利を下支えするパフォーマンスを見せ付けた。

 開幕からの7試合でわずかに2失点という鉄壁の守備に手応えを得ながらも、その中にさらなる改善の余地を見出している。「2失点でも自分たちは悔しくて、やっぱり無失点で全部行きたいという気持ちが一番なので、もっともっと詰められる所はあると思いますし、今日の失点も自分がもうちょっと寄せられる所があったので、もっと山田でやるべきことを徹底してやれば、もっと失点は少なくなるんじゃないかなと感じています」。

 口を衝いた『山田でやるべきこと』についても、具体的なイメージは既にしっかり理解している。「ペナに侵入させないことと、走らせないことと、ゴールを隠すことですね。それは自分の個人的な課題で、監督にもよく言われていて、まだまだなんですけど、それをやらないと試合に出続けるのは難しいですし、これからのレベルアップにも繋がらないので、もっと意識していきたいと思います」。

 中学生時代は山梨県のUスポーツクラブでプレー。県内の高校への進学を考えていたが、大戸の人生の歯車は意外な形で噛み合っていく。「夏の遠征で正木(昌宣)コーチから声を掛けてもらって、それでセレクションに行って、入学した感じですね。もともと青森山田に強いイメージはなくて、山梨県内の高校に行こうと考えていたんですけど、人間としても成長できる場所なので、本当に山田に来て良かったなと思っています」。さらに、ポジションのコンバートも、彼の飛躍を良い形で後押しする。

「それまではフォワードをやったり、サイドハーフをやったりしていたんですけど、2年生からサイドバックを始めました。守備が本当に難しかったので、そこは徹底してやりましたし、元々攻撃的なポジションをやっていたことでどんどんチャンスも作れるので、点に繋がる攻撃参加ができればいいなと思っています。自分の特徴はスピードだったり、フィジカルを生かした攻撃参加で、身体だったら絶対に負けないので、守備でも1対1の対応をもっと良くして、しっかり奪い切っていくことはやっていきたいですね」。

 印象的なのは攻撃のセットプレー時。ゴール前にポジションを取る際、必ずと言っていいほど大戸の大声がフィールドに響き渡っている。その理由を尋ねると、笑顔を浮かべながらこう明かす。「セットプレーって絶対相手は嫌がると思いますし、そこで自分たちがもっと声を出して威圧感を与えられれば、今日みたいなチャンスになるので、みんなキツくなっている時に声を出したいなと。自分はプレーの部分で支えられる選手ではないので、『まずは声から』と思って、ずっと大声を出しています」。

 地元のチームに優勝をさらわれ、日本一を逃した光景を見つめるだけだったあの悔しさは、もう繰り返したくない。フィジカルと声で常勝軍団を支える右サイドバック。光り輝く“太陽”が、王座奪還への道筋を明るく照らしていく。

(取材・文 土屋雅史)
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