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オランダで驚異の全試合フルタイム出場…MF板倉滉は「すごく悔しかった」あの試合も糧に

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日本代表MF板倉滉(フローニンゲン)

 日本代表MF板倉滉(フローニンゲン)が25日、合宿2日目のトレーニングを前にオンライン取材に対応し、全試合フルタイム出場を果たした2020-21シーズンを振り返った。

 板倉はフローニンゲンで3年目となった今季、開幕節からセンターバックのレギュラーを守り抜き、エールディビジのフィールド選手ではDFオーウェン・ワインダル(AZ)との2人しかいない全試合フルタイム出場を達成。「シーズン前からそこを目標にしてやっていたので、達成できてよかった。怪我なく毎試合できたことですごく充実感を感じていた」と実り多きシーズンとなった。

 そうした活躍は、これまで年月をかけて取り組んできたフィジカル強化や、コンディション管理の賜物だという。「今季特別にやったことは全然なく、今までどおり」と冷静に語った板倉は「日本からヨーロッパに来た当初からは体も確実に強くなっていると思う。そういうものもあって自信になってきたし、プレーをしていても感じられている」と手応えを示した。

 その一方で「もっともっと強くしないといけないと感じている。怪我をせず、いい準備をしながら自分をさらに強くしていけるようにやらないと上のレベルで通用しない」という危機感も語った。

 マンチェスター・シティに籍を置く板倉だが、現在は武者修行を続けている立場。上位リーグへのステップアップは常に意識をしている。「今より上のクラブでやりたいし、1年間使ってもらって、この経験を踏まえた上でさらに自分がどれだけできるのかを試すいいタイミング」。そう思いを明かした板倉は「目の前の試合で誰が見ているかわからないので、いつもチャンスだと思いながらやっていきたい」と力を込めた。

 一戦一戦を大事にするそうした姿勢の裏には、U-24日本代表の一員として経験した今年3月の苦い経験もあるようだ。板倉はU-24アルゼンチン代表との初戦で、自身のミスから突破を許して先制点を献上。2戦目にはセットプレーから2ゴールを挙げる大活躍を見せ、見事にリベンジを果たしたが、あの時の悔しさはいまも消えてはいない。

「あの試合は自分でもすごく悔しかった。日本人は普段の試合を見ていないし、あの試合しか見ていない中で評価される。でもそれは当然のことだと思う。『板倉がやられている』と言われるのは当然。今季はなかなかああやってやられるシーンは少なくて、対人でも自信があった中での試合だったので、悔しさもあるし、まだまだ自分の力も足りないと感じさせられた」。

 自らのミスとそう真摯に向き合った板倉は「代表に来ている以上、1試合の評価がみんなの評価になる。代表の1試合でのパフォーマンスが大事になってくると思う」ときっぱり。今回はA代表、U-24日本代表の並行活動となるが、「この1年間でCBでやってきて、いろんな相手と対戦してきていろんなことを感じられたので、ここで出したい」と成長の跡を見せつける構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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