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2次予選ここまで37得点0失点…吉田麻也が問題提起「本当に有意義か」

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DF吉田麻也(サンプドリア)

[5.28 W杯アジア2次予選 日本10-0ミャンマー フクアリ]

 日本代表はカタールW杯アジア2次予選6試合を37得点0失点という圧倒的な大差で勝ち抜き、2試合を残して最終予選進出を決めた。「最終予選への権利を手にしたので、そこは一つ良かった。また代わった選手も強度を落とさずプレーして、大量得点が取れたことが良かった」。そうホッとした表情を見せたDF吉田麻也(サンプドリア)だが試合後、力の差があるチーム同士が対戦するアジア予選の枠組みにあらためて疑問を呈した。

 日本代表は28日、ミャンマー代表とフクダ電子アリーナで対戦し、10-0で勝利。今年3月のモンゴル戦(○14-0)に続き、代表史上初となる2試合連続での二桁得点を達成した。ミャンマー戦前日の囲み取材で「たくさん点をとってAFC(アジアサッカー連盟)に問題提起していけたら」と述べていた吉田にとって、宣言どおりの結果となった。

 吉田はミャンマー戦後、あらためてアジア予選の仕組みに言及した。「ミャンマーもモンゴルも90分間とおしてポジティブで、諦めることなく成長しようという意識が見えたが、明らかに差があると本当に有意義かはクエスチョン」。その上で「アジアがヨーロッパや南米、アフリカに抗うために何をすればいいかは、日本だけじゃなくアジア全体で考えること。W杯で負けると枠は減らされるので」とし、「10-0のように二桁得点が続けばおのずとそういう議論が出てくると思う」と展望を述べた。

 吉田はミャンマー戦限りでA代表の活動がいったん終了。2次予選のタジキスタン戦、キルギス戦には出場せず、東京五輪のオーバーエイジ選手として国際親善試合2試合を行うU-24日本代表に合流する形となる。

「残りの予選2試合、強度を落とさずやるのと、ジャマイカは少しわからないけどセルビアは強いと思うので、久しぶりに難しい試合をやるということで、今まで見えてこなかった課題が見えてくると思う。最終予選に向けていいトレーニングマッチになるんじゃないか」。

 A代表で出場する選手にそんなメッセージを送った吉田は「身体が二つあれば両方出たい」と本音をのぞかせつつ、五輪代表活動に向けて「なぜ選ばれているのか常に証明しないといけない。それが代表選手の使命。今回はオーバーエイジという枠で入るので、監督、スタッフ、他の選手に納得いってもらえるパフォーマンスをしないといけない」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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