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欧州移籍で得点センス開花…2戦連発のMF守田「そういう匂いを嗅げるようになった」

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日本代表MF守田英正(サンタクララ)

 カタールW杯アジア2次予選・ミャンマー戦(○10-0)から一夜明けた29日、3月のモンゴル戦(○14-0)に続いて2戦連発となるゴールを挙げた日本代表MF守田英正(サンタクララ)が報道陣のオンライン取材に応じた。

 ミャンマー戦の後半11分、守田はDF室屋成(ハノーファー)のグラウンダークロスに対して、3列目から一気に飛び込んだ。「数的優位だったので突破してくれるのはある程度わかったので、思い切って前線に飛び出せた」。3月のモンゴル戦と同様、シュートは右足ダイレクト。「シンプルにアシストが良かったので、あとは落ち着いて決めるだけだった」と謙遜したが、得点力の開花を感じさせる一撃だった。

 守田は今年1月、川崎フロンターレからポルトガルのサンタクララに移籍。3月の活動で2019年6月以来の代表復帰を果たし、A代表初ゴールから2戦連発を果たした。

「良いボールをくれるので……というところで、スーパーゴールでもなんでもないので」。そう苦笑いも見せた守田だったが、「そこに入っていく感覚、そういう匂いを嗅げるようになってきている」と手応えも。さらに「パスが来てくれたら取れたシーンもいくつかあるので、そういったチャンスを増やしていければ」と継続を誓った。

 また、ゴール以外の部分でも代表チームへの順応は進みつつあるようだ。

 欧州挑戦で自信を深めたことで「自分から発信する力が増した」という守田は「自分の特長を活かしてもらえるようにこうしてほしいと話もするし、周りの選手も僕に対してどうすればいいかという部分でお互いに話し合って、明確にしていく作業は前よりも増えた」と語る。ダブルボランチを担うMF遠藤航(シュツットガルト)との関係性についても、スムーズにプレービジョンを説明していた。

「前回の活動でも一緒にやらせてもらっていて、昨日もそうだったけど、どちらかというと航くんがビルドアップに参加しながら、2ボランチだけど左右に分かれるより縦関係になって、僕が前に厚みを持たせることを意識した。どっちも攻撃も守備も好きで、どっちもできるのがあるというのがベースにある」。

「昨日の試合は、最初は相手も中を締めてきたけど、途中から間が空いてきて、ビルドアップでボランチ2人を使う必要がなかった。航くん一枚とCBで持ち運べる形が多くできた。(左サイドの南野)拓実くんが中にくると幅が取れないので、僕が拓実くんの位置に入っていくことを意識した。(ボランチ間では)縦の関係が見えたと思う」。

 ダブルボランチの連係と同様、トップ下でのプレーが続くMF鎌田大地(フランクフルト)との感覚の一致にも自信を見せる。

「僕はボールに関与していないようでしているが、相手をうまく釣ったり、敵の枚数をうまくずらすポジションを取った時に大地はわかっている。どこに立てば相手が嫌かというところで、良いポジションを取ってくれるし、僕が動き直しをした時にいいポジションに動き直してくれる。二人で相手複数人のズレを作れるのは大きいし、大地は器用なので僕がポジションを取った時に考えてくれていて、そこで相手に優位に立てていると感じる」。

 もっとも、A代表におけるボランチは激戦区の一つ。ベンチにはMF橋本拳人(ロストフ)がおり、今回は招集が見送られたMF柴崎岳(レガネス)も控えているため、守田も「ポジションを確立したとは思っていない」という。

「ファーストチョイスで選んでもらえているのは感謝しているが、毎試合結果と貢献度次第ではどのタイミングでも入れ替わりが起きてもしょうがないくらい激戦なので、毎試合絶対に結果を出すという気持ちを持って頑張っている」。

 そう語った守田はMF中山雄太(ズウォレ)、MF田中碧(川崎F)らによる五輪世代からの突き上げも歓迎する。

「僕より若い選手にも良い選手がたくさんいるけど、競争が生まれるとか、自分のポジションに良い選手がたくさんいるのは必ずしも悪いことじゃない。それがチームの成長につながる。自分の強みは落ち着いて相手を見ながらポジションを取ることや、ビルドアップもそうだけど、守備の強度と点に絡むことも求められている。毎試合得点に絡めるようにやって行ければ僕自身も一皮剥けるし、競争に打ち勝っていける」。

 代表復帰からわずか3試合。一躍レギュラー争いをリードしつつある26歳は激しい競争を刺激とし、さらなる成長につなげていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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