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鎌田大地、A代表で3戦連発も「得点力がある選手だと思っていない」

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日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)

 カタールW杯アジア2次予選・ミャンマー戦(○10-0)から一夜明けた29日、日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)が報道陣のオンライン取材に応じ、3戦連発となるゴールについて「1点は取りたいは思っていたし、取らないとダメだなと思っていた。ホッとした」と振り返った。

「ゴールを取るタイプじゃない」「自分はストライカーではない」。

 代表活動期間中のオンライン取材でたびたびそうした言葉を発してきた鎌田だが、これまでA代表ではたしかな得点能力を発揮。3月の国際親善試合・韓国戦(○3-0)とW杯予選・モンゴル戦(○14-0)、W杯予選・ミャンマー戦で続けてゴールを挙げており、目下3試合連発中だ。

 そんな鎌田は自身のゴールセンスについて「得点力がある選手だと思っていない。うまく周りを活かしながら、そのわりに点を取れるとは思う」と表現。あくまでも周囲との連係に重点を置いているといい、ミャンマー戦のプレー選択についても「自分で打てるシーンはあったし、もっとうまくできたとは思うけど、フランクフルトでもずっとこんな感じでプレーしている。“ザ・トップ下”というより少し低めで動いて、周りの選手が生きるようにやっていた」と振り返った。

 得点センスに限らず、鎌田が比較対象としているのは「世界のトップオブトップ」だ。

 自身の強みについて語る際には「何かが突出しているわけではない」と控えめに述べ、アジア各国相手に猛威を振るうドリブル突破についても「世界のトップオブトップで考えると、自分は足が速くない。前に蹴って走れば勝てて、その上ドリブルもできる選手もいるので」と謙遜。「総合値は普通の選手より上かなと思っている」と述べるにとどめた。

 もっとも、そうした客観視こそが鎌田の強みでもありそうだ。

 A代表では初招集当初、FW大迫勇也が不在だった1トップでの起用が続いていたが、MF南野拓実(サウサンプトン)と試合中にポジションを入れ替えるなどし、中盤での適性をアピール。その後、1列後ろで起用されるようになってからはますますパフォーマンスを上げ、いまや攻撃の組み立てに欠かせない存在となった。

 そんな鎌田はモンゴル戦、ミャンマー戦と続けて採用されているオプション布陣の4-3-3についても、自身の能力と向き合いながら冷静に受け止めている。

「昨日はずっとボールを持っていたので、僕と拓実くんが両方8番(インサイドハーフ)というより、僕が少し下り目で、拓実くんが前でやっていた。ただ相手がもっと強くなって、しっかりバランスを持ってやれるようになった場合、10番(トップ下)は左右に走らないとダメだけど、8番だとそこまで走らずに自分の決まったところで動くだけで良いので、無駄に多く走りすぎる必要がないのがいいところだと思う」。

 そう語った鎌田は「フランクフルトでは1枚のトップ下より2枚のトップ下のほうが僕の仕事に集中しやすかった」としつつ、「代表ではまだわからない。まだ強いチームとやっていないし、いまの試合だけではなんとも言えない」と指摘。すなわち鎌田の中では、得点能力も新布陣も、真価が問われるのはこれからになりそうだ。

(取材・文 竹内達也)
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