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土壇場で見せた図太さと勝負強さ。強力世代の静岡学園は浜松開誠館に苦戦も、PK戦制して静岡決勝へ

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静岡学園高が決勝進出。10番MF古川陽介(右)は歓喜の前転?

[5.30 インターハイ静岡県予選準決勝 浜松開誠館高 1-1(PK6-7)静岡学園高 藤枝総合]

 静岡学園が土壇場で図太さと勝負強さ見せて決勝進出――。令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)静岡県予選準決勝が30日に開催され、浜松開誠館高静岡学園高が激突。1-1で突入したPK戦の末、静岡学園が7-6で勝った。静岡学園は4年ぶりの全国出場を懸け、6月6日の決勝で清水東高と戦う。

 今年の静岡学園はプリンスリーグ東海全6試合で3得点以上を奪い、開幕6連勝。3月の時之栖チャレンジカップでは、プレミアリーグEASTで開幕7連勝中と圧倒的な強さを見せている青森山田高(青森)にも4-3で撃ち勝っている。Jクラブから関心を寄せられるような選手も3人、4人とおり、現時点では全国制覇した2年前以上とも言える強さとポテンシャル。夏から冬に掛けて「凄く伸びた」(川口修監督)2年前の世代のような成長曲線を描くことができるか、注目の世代だ。

 インターハイを経験し、2年前のチームが経験できなかった成長をすること、また日本一を獲りに行くことを目指すが、この日は難敵・浜松開誠館の前に思うようなサッカーをすることができなかった。前半こそ右SBへコンバートされた松永颯汰(3年)とU-17日本代表候補MF高橋隆大(2年)の超攻撃的な右サイドが機能。左の10番MF古川陽介(3年)が個で打開するシーンもあった。

 また、いずれもフィード力高いU-18日本代表候補CB伊東進之輔(3年)と20年U-16日本代表候補CB行德瑛(2年)のサイドチェンジも有効に。一方で注目ゲームメーカーのMF玄理吾(3年)が浜松開誠館に狙われ、34分にはインターセプトからFW坂上輝(2年)に強烈なシュートを打ち込まれた。

 さらにこぼれ球をMF荒木陽向(3年)に押し込まれたが、オフサイドの判定。冷や汗をかかされたものの、その直後に静岡学園は先制点を奪う。伊東の縦パスで完全に抜け出したMF荒井駿希(3年)が、ラストパスを出すと見せかけてそのまま左足でゴールを破った。

 だが、後半は浜松開誠館の前からの圧力の前にバックパスを選択するシーンが増加。浜松開誠館はさらにラインを押し上げて静岡学園に強烈なプレスを見舞う。そして、ミスパスを誘ったほか、ロングボールを蹴らせてセカンドボールを回収。静岡学園は左サイドの古川が個人技で違いを見せていたものの、全体的に攻撃が重くなり、中央で分厚い守りを見せる浜松開誠館の壁を破ることができない。

 伊東は「後半は早い段階で疲労感もあったりして、相手の圧力をモロに受けていたかなという感じです。チームとして3点以上という目標があるので、点は獲りたかったけれど引き気味というか消極的になってしまった」と首を振る。

 対して、浜松開誠館はMF三浦成貴主将(3年)を筆頭に各選手が球際で気迫の守り。ベンチも良い雰囲気を作り出し、反撃を続ける。そして、後半20分、浜松開誠館は相手GKのファンブルを逃さず、10番MF佐藤羅偉(3年)が右足ボレーで同点ゴールを決めた。静岡学園は快足FW川谷凪(3年)を投入し、両ワイドからの攻撃でゴールに迫る。だが、DF陣が集中した守りを続ける浜松開誠館は決定打を打たせない。

 そして、スコアは動かす、1-1のままPK戦へ突入。先攻・静岡学園の3人目が失敗したのに対し、浜松開誠館は4人連続で成功する。静岡学園は追い詰められたが、GK生嶋健太郎(3年)がミスを挽回するビッグセーブで5人目をストップ。さらに8人目を生嶋が再び止め、静岡学園が決勝進出を果たした。

 静岡学園は一般的に空気が重くなるPK戦突入後も、笑顔と味方をイジるような声を続けていた。伊東は「ちょけるやつが多いので。僕は(PK戦で)プレッシャー全然かからないです」と微笑。川口監督も「図太さだったりも見えたので。選手たちがああいう雰囲気を作って、あれが自分たちのリズムと言うか、スタイル。あれはあれで良いんじゃないですかね」と語っていたが、注目世代が追い詰められた状況で見せた図太さ、勝負強さも印象的だった。

 川口監督は「こういう苦しみながら競り勝っていく。成長は見えたと思います。全国大会に行ければ選手・チームの成長に繋げるので、決勝まで来たので勝って全国大会で経験を積みたい」と頷く。昨年はインターハイが開催されず、練習時間も限られたが、今年は夏の全国も経験して成長を加速させ、選手権で2年前と同じ景色を見ること。まずはフィールド内で改善できなかったこの日の課題に取り組み、決勝ではプレッシャーを楽しみながら、静学らしく魅せて白星も掴む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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