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アンリらU-18代表候補CBから刺激。静岡学園の攻撃的CB伊東進之輔はより強さや統率力も求める

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静岡学園高のU-18日本代表候補DF伊東進之輔

[5.30 インターハイ静岡県予選準決勝 浜松開誠館高 1-1(PK6-7)静岡学園高 藤枝総合]

 静岡学園高のU-18日本代表候補DF伊東進之輔(3年=千里丘FC出身)は190cm近い高さと、CBの枠に収まらないほどの攻撃力の持ち主だ。左右両足から正確なフィードやサイドチェンジを繰り出し、前方にスペースがあれば柔らかいドリブルで持ち運んでいく。この日は縦パスで先制点をアシスト。川口修監督もそのポテンシャルの大きさに期待を寄せる大器だ。

 ただし、この日は中央からのビルドアップを警戒され、サイドに押し出されるシーンが増えてしまう。その中でもドリブルに自信を持つ伊東はプレッシャーをいなすように前進していたが、時間がかかってしまったり、バックパスを選択せざるを得ないような場面もあった。

 結果、攻撃のリズムが悪くなり、停滞。同点に追いつかれてからギアを上げたが、勝ち越すことはできなかった。ディフェンス面に関しては相手のロングボールに対応し、同じく大型CBの行徳瑛(2年)と連係を取りながら、背後へのボールも封鎖。「あんまり裏を取られるとかなかったのでそこは良かった」と振り返ったものの、満足はしていなかった。

 3月にU-18日本代表候補合宿へ初招集。攻撃面に手応えを感じた一方、尾崎優成(神戸U-18)や諏訪間幸成(横浜FMユース)といったJクラブアカデミーのCBが「ラインコントロールとか守備の強さとか自分が思っていたよりも一つ二つ上のレベルでやっていた」ことに刺激を受け、尚志高(福島)の“怪物”CBチェイス・アンリには「絶対にやられない安心感があった」と感じた。

 川口監督も「変わった」という合宿後の伊東。本人は「やっぱり前に行く強さというのは意識しています」と語り、指揮官はクロスボールに対するヘディングなどがレベルアップしていることを認める。より厳しさを持ってトレーニングを続け、守備でも相手を圧倒するようなCBへ近づいていく。

 清水東高との決勝で勝てば、静岡学園にとって4年ぶりとなるインターハイ出場。伊東は「青森山田の松木玖生選手とやりたいです」とU-18日本代表候補で一緒にプレーした名門のエースとの対戦を希望する。そのためにも決勝までの一週間で最高の準備をし、攻守両面で違いを見せて全国切符を勝ち取る。
 
(取材・文 吉田太郎)
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