beacon

“ザ・大津”のCB和田理央。控えに回るも努力欠かさず、先発復帰した決勝で無失点

このエントリーをはてなブックマークに追加

大津高CB和田理央(右)は今大会初先発で無失点勝利に貢献

[6.2 インターハイ熊本県予選決勝 大津高 4-0 秀岳館高 水前寺陸上競技場]

“ザ・大津”とも言える努力のストッパーが、チームの危機を救った。大津高は準決勝で主力DF寺岡潤一郎(3年)が負傷退場。その穴を埋めたCB和田理央(3年=小倉南FCジュニアユース出身)が、今大会初先発となった決勝も安定したパフォーマンスで優勝に貢献した。

 前半は秀岳館高にボールを握られる時間が増え、サイドからの崩しで決定機も作られた。その中で和田は「GK(佐藤瑠星)と川副(泰樹)を中心に声を掛けながら、とにかく冷静に失点しないように意識して守備していました。守備の攻守の切り替えだったり言われてきて、それはどこのチームよりもやってきた自信があるのでみんなで共通意識を持ってしっかりとできたと思います」と振り返る。

 和田自身も正確なカバーリングを見せるなど要所を封じ、前半を無失点で切り抜けた。「昨日、寺岡が怪我で途中抜けて自分入って、結構良い形で入れて、それを自信にして、(今日は)スタートでやってやろうという気持ちでやっていました」と和田。そして後半、攻守で前へ出たチームは4得点を奪い、4-0で快勝した。

 山城朋大監督がマン・オブ・ザ・マッチ級に讃えたのが、この3年生DFだった。和田はプレミアリーグWESTでは3バックの右で先発出場。だが、4バックへシフトしたインターハイ予選ではポジションを失っていた。

 それでも、準備を怠らず、努力を継続。山城監督は「和田がしっかり頑張ってくれた。(普段から)朝練とか頑張っているので、仲間が信頼していました。それが大津の強みかなと思います」とその努力を讃えていた。

 和田はマジメに、ひたむきに努力して花を開かせる選手の多い大津の強みを体現するDF。元々、トップ下やSHの選手で、今年になってDFにコンバートされて台頭してきた選手だ。MF森田大智主将(3年)も「プレミアで出ていますし、みんな信頼しています」。控えに回っても、「(悔しいが)そこは切り替えないと。みんなのために、を思ってしっかりやってきました」と和田は言う。そして、ピッチに立った際には「出た時はどの選手よりも絶対に存在感のあるプレーをしてやろう」と奮闘。努力する才能を持つDFが、熊本制覇の陰の立役者だった。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

TOP