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地元インハイで16強超え、さらに上へ。伝統校・丸岡が6-0で代表決定戦進出:福井

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前半33分、MF明間歩(6番)のゴールを丸岡高の選手たちが喜ぶ

[6.4 インターハイ福井県予選準々決勝 丸岡高 6-0 武生高 日東シンコースタジアム丸岡人工芝G]

 4日、令和3年度全国高校総体(インターハイ) 「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)への出場を懸けた福井県予選(出場枠2)の準々決勝が行われ、32回目の全国大会出場を狙う丸岡高が武生高に6-0で快勝。丸岡は、勝てばインターハイ出場の決まる準決勝で福井工大福井高と戦う

 先輩超えに挑戦する丸岡が、まずは予選突破に王手をかけた。前夜からの強い風雨の中で行われた準々決勝。丸岡は序盤から素早い奪い返しとサイド攻撃で武生を押し込む。特に、前線と連動して攻め上がるSB山田健太(2年)やスピードを活かしたドリブルで局面を打開するMF小関晴人(2年)による左サイドからの攻撃でセットプレーを獲得。そのセットプレーで武生を突き放した。

 前半17分、山田のロングスローから最後はファーサイドのMF水口善都(3年)が右隅へ距離の長い先制ヘッド。さらに27分には、MF守山和音(3年)の左CKをファーサイドのFW小野木仁(3年)が頭でゴールへ叩き込んだ。

 進学校の武生も2失点してから中盤と左SB坂井滉斗主将(3年)らが落ち着いてボールを繋ぐ回数を増やし、10番FW三田村淳生(3年)が相手の背後を狙う。だが、大型GK田邊満記(3年)やCB東出来輝(3年)ら丸岡守備陣を脅かすようなシーンを作り出すことはできない。

 逆に丸岡は33分、小関が高速ドリブルで左サイドを突破。小野木が繋ぎ、PAへの飛び出しで攻撃に厚みを加えていたMF明間歩(3年)が左足で3点目のゴールを奪う。丸岡は後半にも、「(サイドで)係わって、追い越して行って、中へ出して、それに飛び込んでいくことを、試合で発揮できたと思います」という右SB横山潤成主将(3年)の追い越す動きなどを交えて追加点を狙い、5分に右クロスのこぼれ球を小関が決めた。その1分後にもスルーパスで抜け出した小関が左足でゴール。そして、試合終了間際にも交代出場FW佐藤流星(3年)が決めて試合を締めた。

 今年のインターハイは、福井県坂井市をメインに開催される。“サッカーの街”坂井市丸岡町に位置する伝統校・丸岡は、第1代表としてインターハイに出場し、上位進出することが目標だ。福井から全国の強豪と渡り合っているものの、18年度選手権、19年インターハイ、20年度選手権でいずれも全国3回戦敗退。先輩たちが阻まれてきたベスト16の壁を超えなければならない。

 小阪康弘監督は「勢いだけでは16から8は無理。選手の責任ではなく、僕の詰めの甘さ、勝負に対しての細かいところかなと。(ベスト16を超えるためには)正確に繋ぐというところをもっとやっていかないと」と分析する。今年は全体的にパスを繋ぐことができる世代。これまで以上の精度を指揮官は求めている。

 加えて、小阪監督は「核がいない」と厳しい。昨年度はU-20日本代表候補入りしたMF飯田晃明(駒澤大1年、日本高校選抜)とMF川中浩夢(阪南大1年)、一昨年度はFW田海寧生(駒澤大2年、日本高校選抜)という柱がいたが、今年はまだ突き抜けてくる選手がいない状況。自力のある選手は複数いるだけに、核となる選手の出現、そして、「これで(県内タイトルを)一つ獲ることで自信になるきっかけになる大会になれば良いなと」と指揮官は期待していた。

 横山は「僕たちはここで勝って終わりじゃないし、代表権を獲るためには次の試合が大事になる。僕らは全国で勝つことを目指している」。チームのほとんどが地元出身。丸岡で育った選手たちが、地元開催の全国で舞うために、まずは全国切符獲得に集中する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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