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[MOM3474]福井商FW中津悠哉(3年)_J練習参加経験の隠れた才能。雨中で攻守に奮闘し、抜群の存在感

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攻守両面で存在感を放った福井商高の10番FW中津悠哉主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.4 インターハイ福井県予選準々決勝 金津高 0-1 福井商高 日東シンコースタジアム丸岡人工芝G]

 隠れた注目ストライカーが、雨中で抜群の存在感を放った。福井商高の10番FW中津悠哉主将(3年)は強い風雨と金津高の分厚い守りの中でも「(コロナ禍で)休校期間中にずっと練習していたので、ファーストタッチとかトラップには自信があります」と正確なファーストタッチを披露。DFを背負っている状況でも足元でピタッとボールを止め、プレッシャーをいなして味方にボールを繋げていた。

 0-0の状況が続く中で強引に幾度も仕掛け、2人目3人目のDFに奪い返されるようなシーンがあったことも確か。それでも、個の力や周囲を活用してシュートやラストパスへ持ち込み、味方の苦し紛れのクリアを前線で収めるなど、違いを見せていた。先制してスペースが生まれたあとは止まらず。振り向きざまの左足シュートをポストに当てるなど相手DFの脅威となっていた。

 主将は守備面でも貢献度が高かった。「練習とかで(高木謙治)監督さんに言われる部分がある。今日も『守備から行け』と言われていた。泥臭いことをやれば自分に返ってくるというか、自分のモットーにしてやっています」。昨年度の選手権予選でも存在感ある動きを見せていたが、J1湘南の練習に参加したことでより自分に求めるレベルが高くなっているようだ。

「ベルマーレの練習に行った時に何もできなかったので、色々考えて、攻守ともにやり続けるというか、プレーを止めない。取られた瞬間、ディフェンスに切り替えることを意識しています。チームで走る時も一番で走って、そういう部分も意識を変えてきました」と頷く。

 また、高木監督は「(練習参加で)上の舞台を見て、色々な指摘をもらって、もっとこういうところ目指してやらないとダメだよと言って頂いたので、そこを目指して自主練習も欠かさずにやっていますし、そういう意味ではありがたかった」と感謝する。地方の公立校で“王様“になるのではなく、満足することなく成長を目指し続けられていることは大きい。

 もちろん、課題もあるが、パンチ力を増したシュートなど含めて面白い才能であることは確か。中津は「チームを引っ張る選手になることが第一で、(今日のような)こういう苦しい時に点数を決められる選手になりたいです」と誓った。強豪大学も注目する早生まれのストライカーが福井商を全国へ導き、地元インターハイでその名を広める。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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