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2次予選突破は決定も…節目の大記録かかるGK権田は慎重さ強調「1試合で変わるのがサッカー界」

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 カタールW杯アジア2次予選のタジキスタン戦(7日・パナスタ)を控える日本代表GK権田修一(清水)が5日、オンライン取材に応じ、日本史上最長となる出場10試合連続での無失点に意欲を語った。

 権田が日本代表で最後に失点したのは2019年2月1日のアジアカップ決勝のカタール戦(●1-3)。それ以降、パラグアイ戦(○2-0)、ミャンマー戦(○2-0)、モンゴル戦(○6-0)、タジキスタン戦(○6-0)、キルギス戦(○2-0)、カメルーン戦(△0-0)、パナマ戦(○1-0)、韓国戦(○3-0)、モンゴル戦(○14-0)と9試合連続でクリーンシートが続いており、次戦は節目の10試合達成がかかる。

「僕自身、代表の試合ということだけで十分すぎるモチベーションがある」。

 記録達成に向けてはそう控えめに語った権田だが、無失点に抑えることの価値を軽視する様子はない。「いろんなものが1試合で変わるのがサッカー界。いままで続けてきたものも1試合で崩れるし、逆にうまくいかなかったものが1試合で好転するのがサッカー」と述べ、継続することの重要さを力説した。

「自分はポルトガルでずっと使ってもらっていたけど、最後の2〜3試合が良くなくて終わってしまったという部分があった。いいプレーが続いていたとしても、どこかで緩みがあっただけで、1試合ですべてが変わってしまう怖さがある。無失点が続いているから次も大丈夫という保証はない」。

 なにより今回の活動では、U-24日本代表に合流しているDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航、DF冨安健洋が不在。「普段一緒にやっていない選手がディフェンスラインに入るので、慎重にアグレッシブにやるところがチームとして必要。記録は結果的にモチベーションになっているのかもしれないが、そういう試合だからこそ、より慎重に大事にやらないといけないと思っている」と気を引き締める。

 もっとも、代役を担うとみられる選手たちには大きな信頼を寄せているという。

「日本のトップが入るのが日本代表。誰かがいなければ勝てないチームはなかなか難しくなる。コロナ禍で最終予選となると、もしかしたら9月シリーズで何人か招集できない可能性もゼロではないと思う。色んな準備をしないといけないという点で考えると、日本代表がより上に行くにはいい機会だと思っている」。

 底上げの重要性を語った権田はセンターバックのDF谷口彰悟、DF植田直通、DF昌子源、DF中谷進之介の名をそれぞれ挙げ、次のように評価した。

「みんな日本代表としての経験もあるし、谷口選手に関しては日本代表でCBではいままであまり出ていないかもしれないが、Jリーグで一番いいCB、一番勝っているCBなので、自分も助けてもらわないといけないと思う。僕は試合でもたくさん見ているし、彼らの良さもわかるので、彼らの良さを出しながらやっていきたい」。

「植田選手と昌子選手は鹿島でやっているし、植田選手と谷口選手は高校の先輩後輩同士なので大丈夫という部分があると思う。また中谷選手が入っても、名古屋と試合をした時は彼のところから攻められないくらい強いCBだった。みんなの良さを出しながら守れればと思うし、コミュニケーションを取りながらやっているので心配ない」。

 権田の出場試合で続いている無失点だが、前線を含めた全員の奮闘があっての成果。32歳の守護神はこれまでの9試合と同様、互いに支え合いながら節目の大記録を目指していく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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