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[MOM3477]立正大淞南GK長野大河(3年) _雪辱!“通算12本目”のキックを、ついにストップ!

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PK戦7人目、立正大淞南高GK長野大河が右へ跳んでストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.5 インターハイ島根県予選決勝 立正大淞南高 1-1(PK7-6) 大社高 松江市営陸上競技場]


 1-1からのPK戦、6人目まで全員が成功して迎えた7人目。先攻の立正大淞南高が決めた後、ゴールライン上に立ったGK長野大河(3年)に、ベンチから南健司監督の声が飛んだ。

「お前の右手側に来るぞ!」

 この日、コースについて初めて指示を送った南監督は「キッカーの立った雰囲気で分かった」という。「味方が全部決めてくれていたので、自分の世界に入ることができていた」と振り返る長野は「南先生の声はよく通るので、集中していても聞こえる。救いになりました」との思いで、指示通りに右へ。相手の右下スミへのキックを右手で防ぎ、勝利を手繰り寄せた。

 昨年11月のことを思い出していた。選手権予選決勝で大社高と対戦し、2-2でPK戦へ。当時もGKを任されていた長野は、先に味方が失敗した状況で1本も止めることができず、5人全員に決められて涙をのんだ。

「何もすることができずに終わってしまった。今度こそ何とかしなければ、という思いだった」という今回のPK戦も、6人目まで止められず。だが前回から数えて通算12本目のキックを、ついにストップして雪辱を果たした。

 前半2分(35分ハーフ)には相手と1対1になるピンチを迎えたが、素早く飛び出してブロック。8分には自陣でのFKを力強いキックで前線に送り、先制点につなげた。後半に同点とされたものの、その後のピンチを鋭い反応で防ぎ、最後はPK戦で全国切符を勝ち取った。

 インターハイが中止、選手権も出場を逃した昨年度を経て、今年度のキャプテンを任されている。「学校生活や寮生活で、一人ひとりが集中できる環境になるように取り組んできた」という取り組みの成果を、2018年度以来のインターハイ出場という結果につなげた。

 南監督は以前から「ゴールキーパーは1試合に3本のスーパーセーブが必要」と説いている。長野も夏の大舞台に向けて「3本のスーパーセーブと、自分の武器であるキックを見せたい」と決意を新たにしていた。

(取材・文 石倉利英)
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