これまでは「代表活動に呼ばれたことがなかった」。しかし、自らの力でチャンスをつかみ取り、この場所へと戻って来た。U-24日本代表FW林大地(鳥栖)は、与えられたチャンスを再び生かそうと牙を研いでいる。

　3月シリーズでは、追加招集で同代表初招集を果たし、「正直、ビックリしている」と驚きを隠せなかったが、強豪アルゼンチンからゴールを奪い、大きな結果を残した。そして、“最終選考”の場である今合宿にはメンバー発表時にしっかりと名を連ねた。

　今回の活動からはDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF遠藤航(シュツットガルト)とオーバーエイジが合流するだけでなく、U-24日本代表の欧州組も集結。現時点でのベストメンバーが顔をそろえたことで、自身は新たな刺激を受けている。

　前日に行われたU-24ガーナ代表戦では、OAの3選手が圧倒的な存在感を放ってチームをけん引。A代表でプレーするMF堂安律(ビーレフェルト)、MF久保建英(ヘタフェ)らがゴールを奪い、6-0の快勝を収めた。出場機会をつかめなかった林は、ベンチから戦況を見守り、特にOAの3選手に「衝撃を受けた」ようだ。

「今までに感じたことのない存在感。日本代表としてW杯に出場したり、世界の強豪チームでスタメンで出ている選手と、これだけ近い環境でやらせてもらえるのが初めてなので衝撃を受けた」。だが、世界の猛者と渡り合う“先輩”たちとともに活動できることは、自身にとって貴重な時間になることを実感している。

「あのレベルになっても、上を目指して追求する人たちと一緒に活動させてもらっているのは貴重な経験。前回の活動も刺激になったけど、より刺激をもらっているし、もっと自分はやらないといけないと感じている」

　そして、大阪体育大出身の林同様、大学経由でJ入りしたFW上田綺世(法政大→鹿島)がゴールを奪ったことにも刺激を受けている。「綺世は目に見える結果を残し、自分は出場していない。彼には大学時代から刺激をもらっていたので、良い意味ですごく嫉妬心がわいています」。“最終選考”の最後の一戦は12日のジャマイカ戦。「結果を残すか、残さないかは自分次第。いつ出番が来てもいいように準備し続けたい」と万全の準備を進め、アピールへとつながる結果を残したい。

(取材・文　折戸岳彦)

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