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[MOM3483]関西学院DF紀伊野敬大(3年)_「3年生のためにも、全国大会に」。思い込めた優勝決定弾!

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DF紀伊野敬大関西学院高を全国へ導く優勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.6 インターハイ兵庫県予選決勝 報徳学園高 0-1 関西学院高]

アディショナルタイムが「3分」と掲示されたすぐ後、関西学院高がCKのチャンスを得た。左からのCKはゴール前に入れていたものの、その後すぐに得た右からのCKではMF岩崎陸歩(2年)がショートコーナーを選択。ボールを受けたDF紀伊野敬大(3年)が鮮烈なシュートを放ち、拮抗していた試合の勝敗を決めた。

 SBの紀伊野は、日頃の試合ではシュートを撃つような機会はほとんどないというが、決勝戦前日の練習で山根誠監督からショートコーナーからのシュートを撃ってみるよう言われた。練習ではうまくゴールに入らずニアに外していたことから、山根監督に「ファーに蹴るように」と指導を受けていた通り、巡ってきたチャンスでは足だけではなくしっかりと腰を振ってファーのゴールネットに突き刺す強烈なシュートを放った。

 ここで決めることができれば勝負が決まるかもしれないという時間帯だったが、気負うどころか、むしろ好機が「きた!」と感じるたくましいメンタリティで、自信を持って右足を振り抜いた。「岩崎がイメージ通りの素晴らしいボールを出してくれたし、自分もイメージ通りに蹴ることができた」と目元を綻ばせた。

 また、「自信を持って蹴れたのは、スタンドで見守ってくれていた3年生たちのおかげ」だとも語った紀伊野。今大会も選手権予選や新人戦と同様、選手たちの安全を第一に、感染症予防を徹底した上で無観客での開催としていたが、決勝戦は広いスタンドがある会場で行えたため、両校の出場できなかった3年生のみがスタンドで見守ることが許された。シュートを撃つ際にも「試合に出られなかった3年生のためにも、全国大会に」という気持ちが強くあったと振り返った。

 ゴールを決めた後も、浮つくことなく、集中して守備することもできた。県内大会でも苦しい試合は少なくなかったが、「インターハイでもチームみんなで粘り強く戦いたい」と意気込んでいる。

(取材・文 前田カオリ)
●【特設】高校総体2021

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