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酒井のレッスンを受けた中山雄太、根底にあるのは「サッカーがうまくなりたい」

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DF酒井宏樹(マルセイユ)のレッスンを受けるMF中山雄太(ズウォレ)

 自分でも「探っている状態」だと明かす。だが、根底にあるのは「サッカーがうまくなりたい」ということ。だからこそ、U-24日本代表MF中山雄太(ズウォレ)は、身近にいる“お手本”から積極的に学ぼうとしている。

 ガーナ戦翌日に行われたトレーニング。先発組はランニング等で軽く汗を流して練習を終えた。すると、中山は動いた。オーバーエイジとして合流しているDF酒井宏樹(マルセイユ)に近寄ると、そこから2人のやり取りは長い時間続いた。

「今後につながる、僕の成長を促してもらえるようなアイディアだったり。単純にレッスンを受けていた。SBとしての動きだったり、意識だったり。僕自身、キャリアの中でも、それほど多くの試合をこなしていないポジションなので」

 東京五輪世代の代表では主にボランチとCBとしてプレーしてきた。しかし、20年11月18日、A代表の一員としてピッチに立ったメキシコ戦では左SBとして起用される。今回U-24日本代表に合流した酒井、DF吉田麻也(サンプドリア)、東京五輪世代ながらもA代表の主力を担うDF冨安健洋(ボローニャ)と最終ラインを形成。そして、5日のガーナ戦では同じセットで先発起用され、左SBとしてプレーした。

 少しずつ、変化が生まれてきているのかもしれない。これまでは、ボランチへの強いこだわりを口にすることもあった。しかし、酒井から教えを受けたように、『SBとして起用されるのならば、このポジションで生き残る』という強い覚悟を感じさせる。

「僕自身、どこのポジションなのか、いまだに探っている状態だけど、それ自体を楽しんでいる状況かなと思う。SBとしてのキャリアがほぼない状態ですが、素晴らしいお手本の選手が近くにいるので、そういううまい人たちから、色々なものを盗みたいという意識でいる」

 根底にあるのが、「単純にサッカーがうまくなりたいから」ということ。ボランチへのこだわりは捨てていないが、「一番は試合に出られることが、僕にとって大きいこと」と語ったように、どこのポジションであろうと、ピッチに立つことが何よりも自身の成長につながると感じている。

 12日に行われるジャマイカ戦でも、どこのポジションで起用されるかは分からない。「FWをやれと言われたら、やろうという意識がある」と苦笑したものの、大事なのはまずは試合に出ること。再びピッチに立つため、最高の準備を進めて、その時を待ちたい。

(取材・文 折戸岳彦)
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