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パナスタに響いた“咆哮”…初先発1G1Aの古橋「ちょっと爆発しちゃいました」

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MF古橋亨梧(神戸)

[6.7 W杯2次予選 日本4-1タジキスタン パナスタ]

 日本代表初先発で1ゴール1アシスト。大きく顔ぶれが変わった森保ジャパンにおいて、MF古橋亨梧(神戸)が鮮烈なインパクトを残した。試合後、高校の同級生のMF南野拓実も「チームの力になれることを強烈にアピールしてくれた」と笑みを見せた。

 2019年11月19日、パナソニックスタジアム吹田で行われたキリンチャレンジ杯・ベネズエラ戦(●1-4)で後半開始から出場し、A代表デビュー。持ち味の推進力を生かしたプレーで定着への足掛かりを掴み、「これからこの経験を活かせれば」と前向きに語っていた。

 ところが、その後はコロナ禍の影響で代表活動が約1年間にわたって停止。再開後から国際親善試合・韓国戦(○3-0)、W杯予選・モンゴル戦(○14-0)と終盤起用でアピールを続け、モンゴル戦ではA代表初ゴールを含む2得点を記録した結果、デビュー戦と同じパナスタで初先発のチャンスを得た。

「やってやろうという気持ちがあった」。

 そんな古橋は序盤こそ「ミスが多くなってリズムに乗れなかった」というが、前半早々にさっそく結果を残した。FW浅野拓磨のシュートが相手GKに阻まれると、いち早くゴール前で反応。「僕の前にこぼれてきて、良いところに置けたので、あとは気持ちで入ってくれというシュートだった」。A代表通算3ゴール目はW杯予選での貴重な先制点となった。

 ゴールが決まった直後、古橋はド派手なガッツポーズを披露しながら無観客のパナスタに響き渡る大声で叫んだ。「スタメンで出るのが初めての選手が多くて、先制点が大事になると思っていた。決められてうれしかったし、ここ数試合はJリーグでもなかなか決められていなかったので、ちょっと爆発しちゃいました」。5試合無得点に終わっていた所属クラブでの悔しさも込もった“咆哮”だった。

 さらに古橋は同点に追い付かれて迎えた前半40分、右サイド突破から南野の勝ち越し点もアシストした。南野からは称賛の声も送られ、それを伝え聞いた古橋は「すごく嬉しいし、心強い。信頼関係持ってやれていると思う」と満面の笑み。南野はC大阪U-18出身のため共にプレーした経験はないが、高校の同級生ホットラインによる良好な関係性をのぞかせた。

 そんな古橋の活躍もあって日本代表は4-1で勝利。2次予選7連勝を達成し、全勝での最終予選進出まであと一つとした。もっとも、古橋は「一歩前進できたと思う」とほどほどの自己評価。「90分間通して言えば消えた時間があった」と反省の弁も述べ、すでに次の試合に切り替えていた。

 もっとも、この日のようなパフォーマンスを続けていれば、そうした反省を活かすチャンスはすぐにやってくるはずだ。残り2試合、そして最終予選を見据えた古橋は「チームのために運動量を増やして、より数字を求めて得点やアシストをすることで生き残っていけると思うので、よりそこを求めていきたい」と力強く語った。

(取材・文 竹内達也)
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