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U-20日本代表候補はJ1出場を重ねるMF鮎川峻が先制点。目標に掲げた“次の段階”

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1本目20分、U-20日本代表候補は右SH鮎川峻(広島)が左足で先制ゴール

[6.10 練習試合 U-20日本代表候補 3-6 全日本大学選抜]

 U-20日本代表候補は1本目20分にMF鮎川峻(広島)が先制点を叩き出した。MF小田裕太郎(神戸)が左サイドを抜け出してラストパス。GKがわずかに触ってこぼれたボールを、詰めていた鮎川が左足ダイレクトでゴールへ流し込んだ。

「自分たちの左サイドで深い部分までボールを持っていくことが何度かあったので、そこでチャンスになると自分でも思っていました。そこでゴール前に入って行けたのが良かったのかなと思います」。FW登録の右SHは正確な一撃でゴールネットを揺らした。

 1本目は鋭い縦への仕掛けや、FW櫻川ソロモン(千葉)とのワンツーで右サイドを突破するなど連係良く崩すシーンもあったが、再び出場した3本目は“緊急の”3バックシステムにチーム全体が戸惑う中、WBの鮎川も思うようなプレーをすることができず。満足はしていなかった。

「攻撃の部分でもう少し色々な選手と係わりながらゴール前まで崩して行くという形を練習ではできていたので、試合でももう少し工夫しながらやりたかったというのはあります」。暑さで運動量や質が低下する中、チームとしてどう対応するのか、またチーム全体で甘さのあったゴールを奪うところ・守るところを課題に挙げていた。

 広島ユースから広島トップチームへ昇格2年目の今季、鮎川はキャンプからアピールに成功し、開幕戦(2月27日)でJ1デビュー。その1か月後の大分戦でJ1初ゴールをマークした。5月4日にはプロA契約を締結。U-20日本代表候補には出場機会を勝ち取ることができていないメンバーも多い中、鮎川は主に交代出場ながらもJ1が中断した5月末までコンスタントに出場を重ねている。

 本人も口にしていた手応え。「プロの世界でスピード感というものに試合を重ねるごとに慣れてきていたので、代表活動でも少しずつ出せているのかなという実感があります」。この日の試合後、U-20日本代表候補の選手たちは影山雅永監督から自チームで自分の力を証明し、出場機会を勝ち取ることを求められていたが、鮎川は“その次の段階”、試合での結果にこだわる。

「試合を重ねるごとに自分としては手応えを感じているので、そういう部分をもっともっと結果だったり、目に見える成果を出していきたいと思っています」

 新型コロナウイルスの影響によって、U-20ワールドカップで世界を経験するチャンスは失われた。それでも台頭中の若武者は前を向く。「凄く準備してきた部分があったので非常に残念だったのはありますけれども。ここで立ち止まっていたら何も始まらないと思うので、次のオリンピックも自分たちの年代でもありますし、こういう活動をプラスにしていきたい」。24年のパリ五輪で結果を残すため、今は広島でより多くの経験を重ね、結果を残し続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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