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長友「日本代表として自信になる試合だった」代表デビューFWオナイウにも称賛

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日本代表DF長友佑都(マルセイユ)

[6.11 キリンチャレンジ杯 日本1-0セルビア ノエスタ]

 森保一監督体制で初めて欧州勢に挑んだセルビア戦、モチベーション高く試合に入った日本代表は1-0で接戦を制した。ゲームキャプテンとしてピッチに立ったDF長友佑都(マルセイユ)は試合後、「自分たちが今日は非常に良かった」とチームのパフォーマンスを称え、「日本代表として、とても自信になる試合だった」と力強く振り返った。

 対戦相手のセルビアは日本より3ランク上のFIFAランキング25位。FWアレクサンドル・ミトロビッチ、MFドゥシャン・タディッチ、FWルカ・ヨビッチといった主力攻撃陣は来日しなかったものの、迎え撃った日本もU-24日本代表に帯同しているDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航、DF冨安健洋が不在となっており、ほぼ対等の相手に控え選手の出来が問われる一戦となった。

 そこで存在感を示したのが日本の守備陣だった。DF谷口彰悟(川崎F)、DF植田直通(ニーム)のCBコンビはことごとく相手に競り勝ち、こぼれ球には両サイドバックとダブルボランチが素早くアプローチ。攻撃起点のミスでやや危ないシーンを招くこともあったが、前線の献身的なプレスバックもあり、セルビアのチャンスをほとんどつくらせなかった。

「セルビアは力があるし、僕たちの実力を試す上で非常にいい相手だと思っていた」。

 試合前の構図をそう見ていたという長友は「セルビアも気持ちが入っていたので、ふわっとした試合にならないな、集中して入ってきているなと感じていた」と述べつつ、0-0で終えた前半を「ポゼッションする中でミスが多かったけど、ミスをしたとしてもしっかりとゼロで抑えた。相手にやらせないという点でディフェンスラインを含めて、チームが集中していたと思う」と前向きに振り返った。

 そうした奮闘の裏には事前の声かけもあったという。

「ワールドカップでも最終予選でも相手がガチガチに守ってきて、前半はこういう試合になりやすい。でも、うまくいかない時にまずは失点しないということが大事。失点すると相手のペースになるし、相手のモチベーションも上がってしまう」。

 ビハインドにしないことの重要性を力説した長友は「うまくいかなくてもいいから自分たちが失点しないこと、まずは守備固くしてみんなで守っていこう、後半は相手も足が止まってくるし、どんどんスペースができてくるから、うまくいかなくてもネガティブにならずやっていこうと話していた」と明かした。

 実際の長友の想定どおり、後半は交代選手の奮闘もあって試合を支配することができた。

「前半は相手も気合を入れて入ってきたし、その中で僕たちがボールを回してサッカーができたぶん相手も消耗していた。相手のインテンシティは前半より落ちたし、途中から出てきた選手がいいポジショニングで受けていからああいうゴールにつながった」。

 先制点までの3分間への手応えを語った長友は「オナイウもすごく前で体を張って、ポストプレーしてくれたし、ああいう試合はポストプレーでタメを作ってくれるかどうかで、後ろの選手もすごく助かる。すごくいいプレーだったと思う」と代表デビュー戦となったFWオナイウ阿道(横浜FM)の奮闘も称えていた。

 会見の最後には「自分たちの力を試す上でも非常にいい相手だった」と欧州勢との対決に充実感を示した長友。「お互いにベストメンバーではなかったかもしれないが、それでも日本代表として出た選手がチーム一丸となって戦えた。誰が出ても代表のレベルが出せることが示せた。自分自身は手応えがある。日本代表として自信になる試合だった」と力強く試合を総括した。

(取材・文 竹内達也)
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