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幻の代表初ゴールにFWオナイウ「悔しいけど次の試合は数字で」試合前には“ボス”とも直電

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日本代表FWオナイウ阿道(横浜FM)

 日本代表FWオナイウ阿道(横浜FM)が12日、報道陣のオンライン取材に応じ、A代表デビューを飾ったキリンチャレンジカップ・セルビア戦(○1-0)を振り返った。A代表初ゴールは疑惑のオフサイドで幻に終わったが、「継続すれば数字はついてくるので、自信を持ってやれれば」と前を向いた

 オナイウは今月6日、FW大迫勇也(ブレーメン)の負傷を受けて追加招集。2019年11月の活動に続いて2度目の代表活動に合流し、セルビア戦のハーフタイム明けには待望のA代表デビューを果たした。後半3分には自身のポストプレーを起点にCKを獲得し、それが先制点として結実。さらにその後も最前線で身体を張り続け、欧州勢に初めて挑んだチームの勝利に貢献した。

 また後半19分には、MF伊東純也からのグラウンダークロスに素早く反応し、ゴール前に飛び込んでネットを揺らした。ところが副審はフラッグアップ。映像で芝目を確認するとオンサイドだったのは明らかだったが、オフサイドの判定が下され、貴重なA代表初ゴールが誤審により取り消されるという不運も経験した。

 それでもオナイウからは「あとから映像で見たらオフサイドじゃないなと思ったので悔しいけど、次の試合では数字で表せるようにしたい」と力強い言葉。「ゴールにはならず数字には表れないけど、ゴールだと思って、できたこととできなかったことを明確にして次の試合に準備したい」と真摯に受け止めていた。

 とはいえ、ゴールシーン以外の貢献度も出色。セルビア戦の試合後にはDF長友佑都(マルセイユ)から「オナイウもすごく前で体を張って、ポストプレーしてくれたし、ああいう試合はポストプレーでタメを作ってくれるかどうかで、後ろの選手もすごく助かる。すごくいいプレーだったと思う」と称賛の言葉も送られており、充実したA代表デビュー戦となった。

 オナイウにとって、この活躍は横浜FMでの積み重ねの賜物だったという。「所属チームでやっていることが間違いじゃなかったというのが一番あるし、そのプレーをすることが代表での活躍や、チームの助けになるプレーになると感じた」。そう振り返ったオナイウは10日にスコットランド・セルティックの指揮官就任が決まったアンジェ・ポステコグルー前監督への思いも述べた。

 セルビア戦前には「ボス」の愛称で親しまれる前指揮官に電話で「サッカー選手としての幅を広げられたし、成長にもつながった。とても感謝している」という言葉を直接伝えたというオナイウ。この日の取材では「1年目の最初のキャンプはインテンシティの高さに戸惑い、慣れない部分もあったけど、今年が始まってから安定してできるようになったと感じるし、ああいうプレースタイルや強度のあるプレーを続けることが欧州との対戦や最終予選でも活きてくると感じている」と学んだことを代表でも活かしていくことを誓った。

 この一戦が代表定着の足掛かりになるかは今後次第だ。まずは15日のカタールW杯2次予選キルギス戦を見据えたオナイウは「結果が一番大事だし、FWなので得点で貢献することが一番チームのためになる。みんなが後ろで頑張ってくれている分、自分たちが決めて報われるようにしたい」とA代表初ゴールへの思いを新たにしていた。

(取材・文 竹内達也)
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