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[MOM3494]初芝橋本MF荻野悟(3年)_背中で、声で、初橋牽引。時間経過とともに増した存在感

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和歌山県予選決勝で際立つ存在感を示した初芝橋本高MF荻野悟

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.13 インターハイ和歌山県予選決勝 和歌山北高 2-2(PK1-3)初芝橋本高]

 積み重ねてきたものは、裏切らない。70分間の前・後半と20分間の延長戦、時間が経過すればするほど、初芝橋本高MF荻野悟(3年)のプレーは鮮やかさを増した。

 日頃の練習から、とにかく休む時間を作ることを嫌がり、「サーバーでもなんでもいいから」とトレーニングに絡む時間を多くして、誰よりもたくさん動いてきた。その練習の甲斐もあって、運動量に関しては「自信がある」と語っていた荻野。両チームの意地と意地がぶつかり合う激しい攻防戦の中でも疲弊することなく、幾度となく得意のドリブルで相手選手を抜き去り、ゴール前に迫った。

 荻野は、「失点をしたあと、苦しい時間があった。雰囲気はあまり良くないなと感じたけれど、みんなで戦わなければ勝てない。みんなに『戦えよ』と言うのではなく、まず自分が戦う姿勢を見せて、みんなに『戦おう!』ということを伝えたかった」から走り続けたという。

 時間が経つほどに荻野の存在感は際立っていったが、本人は「自分ではそんなに走れているような感じはしていなくて、両足がつるかもしれないな、と思ったので、走れないなら声だけでも出さなければ」と思っていたそうだ。試合後チームメイトから「めちゃくちゃ走れていたな」と声をかけられ、少し驚いたという。

 阪中義博監督もまた、「最後まで『やってやろう』という姿勢を示し続けてくれた。3年生らしく、苦しい場面でもよく声を出し、みんなを牽引してくれた」と、この日の荻野の活躍を高く評価した。

「決勝でも良くない部分はたくさんあったので、近畿総体や総体に向けて良くなかったところを改善し、みんなで少しでも高い位置に行きたい」と語った荻野。全国の舞台でも、チームを牽引できるだけのプレーを示し続けてもらいたい。

(取材・文 前田カオリ)
●【特設】高校総体2021

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