beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

近大附に苦戦も、勝ち切った阪南大高が大阪予選突破。全国で「壁」を超える

このエントリーをはてなブックマークに追加

阪南大高は大阪第1代表として全国へ

[6.12 インターハイ大阪府予選準決勝 近大附高 1-2 阪南大高]

 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)大阪府代表の座を懸けた同予選準決勝が12日に行われ、近大附高阪南大高が激突。阪南大高が2-1で勝ち、4大会連続5回目の全国大会出場を決めた。

 思うような内容の試合ではなかった。細かなミスがあったり、後ろ向きなプレーも増えてしまっていた。濱田豪監督も「近大附属がしっかりと準備して、ゲームプラン的には相手にあったと思う」と認めるような試合だった。それでも、2-1で勝利。指揮官は、「勝ちたいという彼らの気持ち。勝てたことは彼らが頑張ったからだと思います」と選手たちを讃えていた。

 試合は前半4分、近大附が先に決定機を作る。左中間を抜け出したFW澤田琉偉(3年)がそのままゴールエリアまで持ち込んで左足シュート。だが、これをGK山形慈温(3年)のセーブで阻んだ阪南大高は、逆にセットプレーから先制点を奪う。9分、右SB今西一志(2年)の左CKをニアのCB櫻本亜依万(3年)がそらし、走り込んだCB西田祐悟主将(3年)が先制ヘッドを突き刺した。

 阪南大高は、12分にも同様の形から西田の放ったヘッドがクロスバーを直撃。技巧派MF藤井樹(2年)と推進力のあるSB保田成琉(2年)の左から押し込んでセットプレーを獲得し、西田や注目エースFW鈴木章斗(3年)が高さを示していた。

 対する近大附は3バックの中央に構えるDF畑中佑太(3年)の安定したカバーリングなどでボールを奪うと、縦へ速い攻撃。ロングボールを多用し、高さとパワーのある澤田や力強いドリブルを見せるFW椿原詩温(2年)が中心となって攻め返した。

 だが、阪南大高は29分、保田と藤井のコンビで左サイドを崩し、最後はDFがクリアしようとしたところを1年生MF宮崎悠大が押し込む形で2点目を奪った。阪南大高はこの日、近大附対策でシステム変更。狙いとするサイド攻撃を十分に表現できなかったものの、2点をリードして前半を終える。

 後半は膠着した展開に。ロングボールで攻守が何度も入れ替わり、選手たちの消耗も大きかった。だが、阪南大高の濱田監督は「彼らは、体は動いていなかったんですけれども、顔はしっかりとしていたので。気持ちが入っていない顔ではなかった」。また鈴木が「去年経験している選手が多いので気持ちの面でもちょっとしたゆとりがあると思う」と分析するチームは、我慢の展開でも一人ひとりが集中し、根気強く相手の攻撃を跳ね返していた。

 後半30分にサイドを崩され、近大附FW澤田に追撃ゴールを奪われた。近大附はロングスローを交えた攻撃で一気に飲み込みに行ったが、阪南大高は苦しい時間帯でも各選手が空中戦や球際勝負で奮闘し、エースFW鈴木がFKを獲得したり、ボールキープするなど時間を削っていく。そして、2-1で試合終了。濱田監督は「こういうゲームで勝てたことが良い意味で自信に繋がってくれればなと。悪いなりに勝てるゲームに持っていけたことが良かったです」と微笑んでいた。

 今年の阪南大高は西田と鈴木を攻守の柱に山形、10番MF櫻井文陽(3年)ら昨年からの経験者が多数。例年に比べ力強さはまだまだかもしれないが、巧さや経験値を備えたチームだ。決勝で大阪桐蔭高を2-1で下し、大阪王者として臨むインターハイ。西田は「4大会出ているんですけれどもベスト16の壁を超えられていないので、今年はその壁を超えられたら良いかなと思います」。“悪いなりにも”勝つ力を示して激戦区・大阪を制した阪南大高が、全国でも一戦一戦勝ち上がり、歴史を塗り替える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

TOP