beacon

[MOM3497]大阪桐蔭FW高垣佑椰(3年)_「サプライズを起こせ」の言葉と仲間の応援に応える決勝弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半31分、大阪桐蔭高FW高垣佑椰が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.12 インターハイ大阪府予選準決勝 興國高 0-1 大阪桐蔭高]

 身長166cmほどの小柄なFWが、「サプライズを起こした」。0-0の前半31分、大阪桐蔭高は右サイドでの攻防でボールを奪うと、MF大倉凜也(3年)がPAへ浮き球パスを配給。これを「とにかく(GKよりも)先に触ろうと。前目に要求していたらピンポイントにパスが来たので、自分は流し込むだけだった」というFW高垣佑椰(3年=ミラグロッソ海南出身)が右足1タッチでゴールへ流し込んだ。

 ヒーローは試合後、仲間たちへの思いを繰り返した。「とにかく応援してくれる人たちがたくさんいるので、それに応えないといけないと思っていたので、結果で応えられて良かったと思います」。小柄なFWは「小さいなりにできることを全力で」と走り、足裏を活用したパスなどアイディアある動き。そして、値千金のゴールでチームを全国へ導いた。

 その高垣について、永野悦次郎監督は「忍者みたいな選手」と評する。そして、「なんかヒール使ったり、ウチにはあまりいないタイプですね。トリッキーなことをしたがる子なんですよ」と加えた。

 指揮官は簡単にボールロスト、味方のピンチに繋がることもあるプレースタイルを指摘したこともあるという。だが、本人は失わないことを意識しながら、「アイディアのあるプレーをすることによって相手の陣形が乱れたりすることもある」と自分のプレーを貫いている。

 紙一重の攻防で勝敗の決まる試合でそのアイディアは貴重。選手たちに「サプライズ起こせ!」とメッセージを送っているという永野監督は、「サプライズを起こせる」高垣を先発起用し、小柄なFWは見事期待に応えた。

 高垣は全国大会へ向けて、「今日は守備の時間が長かったんですけれども大阪桐蔭は常に攻撃的なチームなので、全国では守備も大切ですけれども、自分たちのサッカーを見せられたらと思います。個人としては、まずは失わないことを前提に、その中でアイディアのあるプレーをして、得点に絡めたら良いと思います」と意気込んだ。全国大会でもピッチに立つチャンスを勝ち取り、再び「サプライズを起こす」。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

TOP