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桐生一の長身1年生ボランチ、MF清水大嗣が関東大会で存在感。失わない力と判断力で先発狙う

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桐生一高期待の1年生ボランチMF清水大嗣

 6月5日から7日まで開催された関東高校大会(山梨)の最終日、桐生一高(群馬)の1年生ボランチMF清水大嗣がインパクトのあるプレーを見せた。身長は180cm超で技術力が高い。飄々と1タッチのパスをさばいていたかと思えば、一発の切り返しで韮崎高(山梨)DF3人を置き去りにするようなシーンも。懐の深いボールキープやドリブルで相手の逆を突く動きで攻撃のポイントになれるボランチだ。

「普段からドリブルの練習をしているので。学校前も(朝6時頃から)家で足元とかやっています」というドリブル、ボールキープにはかなり自信を持っている。プレーの連続性や守備、運動量は課題で現在の立ち位置はサブだが、関東大会Bグループでは八千代高(千葉)との初戦でゴールを決め、「いつもより自信を持ってできました」という決勝でも前半から存在感。周囲が良く見えている印象のボランチはプレッシャーのかかる位置でも簡単には失わず、ゴール前で何かを起こすような雰囲気がある。

 桐生一の田野豪一監督は「(周りが良く)見えているから。ちょっと期待したい」と語り、中村裕幸ヘッドコーチは「吸収力がめっちゃあります」と説明する。ピッチ外ではとても独特の雰囲気、間を持つ清水だが、「課題にちゃんと向き合って克服しようとする意志はあります」と語るように、成長に対して貪欲だ。

 系列の前橋SCから「(田野)監督とか凄く良いなと感じました。あと家が近かったり、環境が整っていたので」桐生一へ進学。強みを引き伸ばしてもらう一方、課題にも目を向けて守備面に取り組み、その成長に手応えを感じている。

 今後はMFフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)のような選手、「ディフェンス、攻撃全てできるようになって、相手に怖れられる存在」になることが目標。チームは19日にインターハイ予選準決勝を控えるが、出番があれば少しでもチームに貢献することを目指す。

 桐生一のボランチのポジションは1年時から先発を担うMF金沢康太主将(3年)、関東Bグループ決勝で1ゴール1アシストの主軸MF浅田陽太(3年)とレギュラー取りへの壁は厚い。だが、「2人とも凄く上手なのでまずは追いついて、そこから抜かしていきたいです」と意気込む1年生が競争を激化させ、チームのレベルをさらに押し上げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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