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残り1分での“粋な采配”…マンチーニは「一流の人物」とファンも称賛

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GKジャンルイジ・ドンナルンマに代わって投入されるGKサルバトーレ・シリグ

 投入されたのは後半44分。わずか1分足らずの出場時間だった。しかし、34歳のベテランGKにとっては貴重な時間になったのかもしれない――。イタリア代表を率いるロベルト・マンチーニ監督が“粋な采配”を見せた。

 20日に行われたEUROグループリーグ第3節。A組に入るイタリアはウェールズ代表と対戦した。開幕2連勝ですでにグループリーグ突破を決めているイタリアは、前節から先発8人を変更。しかし、前半39分にMFマッテオ・ペッシーナの得点で先制すると、その後もウェールズの反撃を許さずに1-0とリードしたまま試合を進める。

 マンチーニ監督が動いたのは、後半44分だった。ここまでゴールマウスを守ってきた守護神のGKジャンルイジ・ドンナルンマに代えて、今大会で出場機会のないGKサルバトーレ・シリグをピッチへと送り込む。最後までウェールズに得点を許さなかったイタリアは、1-0の完封勝利。3連勝で首位通過を決めた。

 グループリーグ突破を決めており、ウェールズ戦もリードした状況だったものの、負傷のないGKの交代は異例。ここに、マンチーニ監督の“親心”があったのではないかと、英紙『サン』が伝えている。

 現役時代、イタリア代表に名を連ねていたマンチーニ監督は、90年イタリアW杯のメンバー入りを果たした。しかし、同大会でピッチに立つことはなく、自身のキャリアの中で最大の後悔であると呼ばれている。だからこそ、ベンチを温めるメンバーの気持ちが分かるのかもしれない。控えGKにも出場機会を与えようとするマンチーニ監督の姿勢は、ファンからも「一流の人物」と称賛されている。

 ウェールズ戦でのシリグの出場により、イタリアはメンバー26選手の内、25選手がピッチに立ったことに。唯一出場機会が訪れていないのは、第3GKのGKアレックス・メレトのみとなった。

 試合後、指揮官は「8人の選手を交代させたが、非常に良い試合ができたので満足しているよ。私は、何人かの選手を代えても何も変わらないと言ってきた。今日、彼らは全員がスターターであることを証明したよ」と選手たちへの信頼を語った。

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