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U-17日本代表候補に“帰ってきた”注目ストライカー、FW内藤大和は鮮烈ゴールも「早く帰って練習したい」

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21日の練習試合1本目、U-17日本代表候補FW内藤大和(甲府U-18)が右足ミドルを決めて1-1に

 帰ってきた注目ストライカーが、9月ぶりとなる年代別日本代表候補合宿でゴールを決めた。FW内藤大和(甲府U-18)は昨年10月の右足腓骨骨折、手術から復調。今月19日から23日まで開催されたU-17日本代表候補合宿に参加した。内藤にとってはU-16日本代表の一員として出場し、チームの全2得点を叩き出した「SBSカップドリームユース」(20年9月、静岡)以来となる代表チームでの活動となった。

「(手術後に)5か月くらいリハビリしていたんですけれども、その間に同学年の選手たちはプロの試合に出たり、代表の活動で活躍したりとかしていて、凄く悔しかったですし、自分も絶対に見返してやるという気持ちでやっていました」と内藤。まだコンディションはベストではない。それでも、同年代のライバルたちの活躍をエネルギーにしてトレーニングを重ねてきたストライカーは、いきなり結果を残して見せた。

 21日の練習試合(対関東大学選抜)に1トップとして先発した内藤は、その1本目28分にゴールを奪う。MF大迫塁(神村学園高)からのパスを受けると、相手の状況をよく見て、DFを動かし、ミドルレンジから右足シュートをゴール右上隅に突き刺した。

「あの時、2枚DFがいて、左側のDFはちょっと遠かったので、右側のDFを最初のステップでまず下げて、その時にGKを見たら1ステップ踏んでいたので、次のタイミングで打てば、入るなという感覚も持っていました。あそこの位置でのミドルシュートはずっと練習してきて、ニア上へ打つ時も外から巻くのか、内側からアウトにかけてニア上狙うことも練習していたので練習していて良かったです」。停滞ムードを一掃する一撃。試合には敗れたものの、インパクト十分のゴールだった。

 復帰を目指す最中、筋肉量の向上を目指すと同時に、重ねてきたのは世界のストライカーのプレーを研究することだ。「休んでいる期間に海外の色々な選手のシュートシーンとかを見て、どの角度で足を当てればどういうシュートが行くのかとか、シュート前のコース取りとかを色々な海外の選手から見て研究していたので、その映像が頭の中で残っているのでそれをピッチで表現できているなと思っています」。FWルイス・スアレス(アトレティコ・マドリー)やFWロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)のプレー動画を現在、過去のものも見てイメージを膨らませ、自分のシュートに活かしてきた。プレーできなかった期間に取り組んできたことを今後、より発揮していくつもりでいる。

 久々の代表活動について、出来は「まだまだ」だという。初戦は前線でボールに触れる回数を増やしていたが、23日の第2戦はその回数が減少。「自分としてはもう少しやらなければいけないなと思います」と悔しがる。

 鮮烈なゴールによってその存在の大きさを印象づけたが、まだまだ復帰したばかり。「復帰してそんなに経っていないので、自分としてはまだまだという感覚なので、早く帰って練習したいと思っています」と満足感を見せなかった。
 
 U-17日本代表の森山佳郎監督はその内藤について、「彼は本当に貪欲な、成長したいギラギラオーラを最も発している一人なので、そういう意味でも怪我が物凄く長引いて苦しんでいる姿も、試合でなかなか調子が出ずにイライラしているような姿も見ていたので、今回選ばれて多分彼も嬉しかったでしょうし、そこでしっかりとゴールも決めてくれたというのは僕も彼の努力というかね。思うような身体動かない悔しさもあったと思うので、これをきっかけに成長スピード、成長角度を変えて行って欲しい」と期待した。

 もちろん、内藤も成長角度を変えていく意気込みだ。「自分たちの学年でもプロにずっと練習参加したり、デビューしている選手がいる。今、自分はトップの練習とか2種登録とかできていないので、ここの代表で得たものをトップチームで表現できるようにアピールしたいなと思っています」。代表スタッフも認めるような、「ギラギラしたオーラ」を持ち続けてコンディションを高め、結果を残して先行くライバルたちを追い越して行く。

(取材・文 吉田太郎)

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