beacon

横浜FMユースでスタメン定着、驚きのU-18代表候補選出……1年生SB舩木大輔は日々努力続けて「上の年代に個人昇格」

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-16世代から個人昇格を果たしている右SB舩木大輔(横浜FMユース)。U-17日本代表候補合宿で存在感あるプレーを見せた

 ユースチーム昇格からまだ3か月。右SB舩木大輔(横浜FMユース)は自身が思い描いていた以上の経験を重ねている。

 横浜FMジュニアユースに所属していた昨年11月にU-15日本代表候補合宿を経験しているDFは今年4月、横浜FMユースのプレミアリーグEAST開幕戦で先発デビュー。「元々コーチから『開幕スタメンは狙って行け』と言われていたので。上の年代に2人同じポジションの選手がいたので『絶対に勝ってやろう』と思って日々練習していました」という舩木は、高校年代最高峰のリーグ戦でも存在感あるプレーを続け、名門の先発に定着して見せた。

 5月には2世代上のU-18日本代表候補合宿に“飛び級”選出。「開幕スタメンというのは正直驚きましたけれども、もっと驚いたのはU-18に選ばれたことで、まさか18に選ばれるとは思っていませんでした」と“予想外の事態”を振り返る。

 ただし、U-18日本代表候補に入っても1年生DFは堂々のプレーを見せていた印象だ。3、4歳上の全日本大学選抜との練習試合では課題も見られたが、球際の強さや積極的な攻撃参加を披露。また、2歳年上の代表選手たちと接したことで意識面も向上した。

「(U-18日本代表候補の選手たちは)一人ひとりが自分を持っているなと思いましたね。積極的にコミュニケーションを取るんですけれども、各自で食事の量だったり、睡眠だったり一人ひとりが意識高く生活していました」。自身も食事や筋力トレーニングを続けて増量したDFは、6月19日から23日まで行われたU-17日本代表候補合宿に参加。「17でも結果を残して18に定着できるようにしたい」という意欲を持って臨み、存在感のあるプレーを見せた。

 21日の練習試合(対関東大学選抜)初戦では、球際の迫力のある奪い返しから一気に前に出てクロス。また、積極的にアップダウンを繰り返してチームに活力を加えていた。合宿を通して、縦への迫力やオーバーラップの回数、クロスの精度という特長を表現。U-17日本代表候補のコーチ陣から日常の基準を上げることを求められる中、「この5日間で自分をさらに成長させることができたと思う」と意識高く、納得の行く日々を過ごすことができたようだ。

 イングランド代表DFアーロン・ワン・ビサカや、日本代表DF酒井宏樹が目標とするSB。酒井のような対人の強さや迫力、オーバーラップの回数を特長とするDFは偉大なSBたちに近づいて行くことができるか、注目だ。今年の目標について、「今、プレミア(リーグEAST)では3位なんですけれども、ここで諦めることなく、チームとしても、個人としても、僕の場合だったら一つ上の年代、二つ上の年代に個人昇格できるように日々の練習を意識高くやっていきたいと思っています」と宣言。将来のためにも一日一日を大事に過ごす。

 05年生まれで現在16歳の舩木は、28年ロサンゼルス五輪世代に当たる。だが、次回24年のパリ五輪も本気で狙って行く構え。「僕らの世代のオリンピックだけでなく、(2歳年上の)中野伸哉君(鳥栖、U-24日本代表)の代のオリンピック代表だったり、少しでも上の年代に入っていきたい。年齢なんて関係なく、自分のストロングポイントをどんな状況でも、どんな試合でも出せる選手に。そして、海外でも通用する選手になれれば良いと思っています」。そのためには、質の部分や強度の向上などまだまだやるべきことがある。U-16世代の注目SBは、目標達成のために本気で努力を続け、評価を高めてパリ五輪代表、そしてA代表に食い込む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

TOP