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[MOM3510]矢板中央MF大畑凜生(3年)_高校選抜候補のボランチが中心選手の働き

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矢板中央高MF大畑凜生はボール奪取の部分でチームに大きく貢献した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.26 高円宮杯プリンスリーグ関東第7節 矢板中央高 3-1 帝京高 矢板中央高東泉G]

「アイツ、すごい伸びていますよ」。矢板中央高(栃木)の高橋健二監督はMF大畑凜生(3年=大宮西カリオカFC出身)の成長を認める。昨年頭角を現し、選手権では大会優秀選手選出。日本高校選抜候補としての活動も経験しているボランチが、中心選手に相応しいパフォーマンスで勝利に貢献した。
 
 この日は前半から帝京高(東京)にボールを握られる展開。その中で大畑は、持ち味の運動量や球際の強度を発揮する。相手の斜めに差し込んでくるパスを2度3度とインターセプト。また、SBの背後のスペースをカバーし、相手のクロスの落ちどころを読み切ってクリアしていた。

 特に前半は「ハマっていたかなと思います」という45分間。ボランチでコンビを組むMF田邉海斗(2年)をサポートする形でボールを奪い、味方の攻撃に繋ぎ続けていた。ここへ来て、プレーに余裕が出てきていることを本人も自覚しているようだ。

「試合を重ねて行くに連れて、相手の出どころ(の見極め)だったり、経験値もあると思いますけれども、一つ余裕が出てきたかなと思っています」と大畑。その上で「(ボランチは)誰よりも走ってひたむきにやらないといけないポジション。それは意識してやっています」というように、誰よりもハードワークすることを意識し、チームを引っ張っている。

 今年、より攻撃面で進化することを自身に課している大畑は、インターハイ予選で2得点。プリンスリーグ関東では3得点をマークしている。この日は無得点に終わったものの、後半の苦しい時間帯でスプリントして最前線まで駆け上がるなどゴールを狙い続けた。

 苦しい時間帯での頑張りも光る試合に。ただし、満足はしていない。連戦の疲れもあったか、後半に失速したところがあった。ボールを奪いながらも判断が遅れて奪い返されるようなシーンも。だからこそ、より自分に高いレベルの質、量を求めていく考えだ。

 端正な顔立ち。小学生時代は家族の影響で芸能事務所に所属し、オーディションを受けて有名ファーストフード店や有名住宅メーカーのCMに出演した経歴の持ち主だ。サッカーで上を目指し、“もうひとつの活動”はストップしたが、その貴重な経験が活きている部分もあるという。

「大一番で自分はあまり緊張をしないタイプなんですけれども、緊張しない中で一つプレーに余裕ができたり、初めて出る選手だったり、緊張で硬い選手に一言かけてあげたり、メンタルの部分では活きているところがあるかなと思います」。将来の目標は大学を経て、プロ入りすること。成長を続ける注目ボランチは、自分がサッカー以外の活動も含めて積み重ねてきた力をチームのために発揮し、日本一を獲得して次のステージへ進む。

(取材・文 吉田太郎)
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