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3選手の意図が一致…J1初弾の浦和MF小泉佳穂「あのゴールは文句なし」

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J1初ゴールを奪った浦和レッズMF小泉佳穂

[6.27 J1リーグ第20節 浦和 2-0 福岡 埼玉]

 鮮やかな先制点が入ったのは立ち上がりの11分だった。右SBのDF西大伍の横パスを受けた浦和レッズMF小泉佳穂は、ドリブルでさらに中へ切れ込み、寄せてきたMF前寛之のスライディングをかわすと、PA手前から左足を一閃。ボールは鋭い弾道でゴール右に突き刺さり、浦和は貴重な先制点を手に入れた。

「練習でやっている形だし、選手間でよく話している形だった。意図してゴールを取れたと思う。あのゴールは文句なしですね」。金髪の背番号18は自身のJ1初ゴールをそう振り返った。小泉の個人技にも見えるゴールだったが、その裏には右サイドで3選手の意図が見事に一致した瞬間があったという。

「西選手があの位置で持って、田中達也選手が敵を引き連れて抜けてくれたことで自分が良い位置で受けられた。その2人と自分の一瞬の判断で、相手を後手に回させたと思う」。小泉が胸を張る。

 ロドリゲス体制になった今季。浦和は、指揮官が標榜する「ポジショナル・サッカー」にキャンプから取り組み、ここまで来た。シーズン開幕当初は監督が落とし込む戦術指導により、頭の中が硬直気味になる選手も多く、アタッキングサードでの崩しのアイデアに物足りなさがあった。実際、得点が少なく、上位に食い込むことができないのはそれが要因だった。

 だが、ここにきてチーム全体でボールの動かし方がようやく浸透。5月に加入したFWキャスパー・ユンカーの得点力に頼りつつあったところに、チーム全体の意図で崩していける力をつけたことは大きい。

 小泉の得点についてはリカルド・ロドリゲス監督も「崩しも、それまでの過程も良かったし、左足ですごく良いところに入れてくれた。福岡は固いDFをするチーム。その中で貴重なゴールを決めてくれた」と称賛した。

 チームにはこのほど柏からMF江坂任が加わった。ポジションは小泉と同じトップ下。小泉は、「この2、3日一緒に練習しているが、凄く上手。(江坂の)得点に関するうまさや迫力は自分に足りないところ。競争するのか、共存になるのか。お互いに刺激し合って成長して、チームがより強く勝てるようになるのが重要だと思う」と言う。

 補強が進み、それによって競争が生まれ、チームが活性化していることが見る者にしっかりと伝わっている浦和。この先が楽しみになってきた。

(取材・文 矢内由美子)
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