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[MOM728]大阪教育大MF鍋坂陸平(4年)_連敗止めた価値ある同点弾、有観客で雄姿見せる

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大阪教育大MF鍋坂陸平(4年)

[6.26 関西学生L前期第2節延期分 大阪学院大1-1大阪教育大 J-GREEN堺メインフィールド]

 前週の立命館大戦では0-5と大敗を喫し、4連敗と苦しい状況の大阪教育大。仕切り直して臨んだ大阪学院大戦だが、開始早々の3分に大院大FW秋山駿(4年=神戸U-18)にミドルシュートを決められてしまう。

 しかし、早い時間の失点に気持ちを切り替え、連動したプレスからボールを奪い獲り、徐々に試合の主導権を握るようになると、前半42分にはMF鍋坂陸平(4年=阪南大高)が混戦の中、同点弾を決めて試合を振り出しに戻す。

 後半は、積極性を増した大教大が優位に試合を進める場面が増えたが、ゴール前での精度を欠き、勝ち点1を得るにとどまった。「勝ちたかった。後半はペースを握る時間も長く、勇気を持って試合を進め、得点もできたので、結果が伴えばもっと行けるっていう自信につながった」と大教大・松原英輝コーチも悔しさをにじませる。

 例年、リーグ期間中に4回生が教育実習で離脱するという教育大ならではの事情がある。今年も5月下旬から、メンバーがチームを離れることとなり、スタメンに4回生不在となる試合もあった。鍋坂も「残っているメンバーを信じて、僕たちは教育実習へ行ったんですけど、帰ってきたらチームとして緩みがあって、締めないといけないという思いで今週は取り組んできた」と言うだけに「チーム全体として、ふわっと試合に入ってしまった。もっと激しい強度でプレスできていれば、失点は防げた」と立ち上がりの失点に対し、反省を口にする。

 本職は左SBだが、現在の大教大は3-5-2。2列目の左サイドでのプレーには「SBより攻撃できる場面が多いので、僕としては楽しくやれてます」と前向きに取り組んでいるが、「SBのほうが自分の持ち味である対人の守備や、ポゼッションに関わって前への推進力を出すのという強みが出せると思う」と話す。

 松原コーチが「スピードもあり、攻守で高い能力がある。ゴールやアシストという結果へのこだわりを1部でも数字で残せればいい」と話すように、この日はゴールへ向かう積極性が同点弾につながった。「川西(真斗・4年=岡山学芸館高)が身体入れて相手を抑えてたんで、こぼれなりセカンドボールなりを拾えたら絶対チャンスになると思って走り込んだ。ちょうどボールが来て、うまくシュートに繋げられた」と冷静な判断が光るプレーだった。

 無観客でスカウトさえも入れなかった関西学生リーグの試合運営は、卒業後もサッカーを続けることを希望している鍋坂にとっても、評価の機会を失う苦しい状況。「自分もだけど、『大教大のサッカー』をいろんな人にみてもらいたい」という思いがあるだけに、久しぶりの有観客開催はモチベーションを高めるよいゲームとなったようだ。

「課題を克服しつつ、すべてのゲームは次につなげていこう」と松原コーチが語る姿勢は、学生たちにとっても共通の認識。少しずつ、しかし着実にチームとしても個人としても進化を目指していく。

(取材・文 蟹江恭代)

●第99回関西学生L特集

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