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市立船橋がU-16代表候補に逆転勝ち。注目1年生MF郡司璃来が同点弾で代表入りへアピール

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市立船橋高は期待の1年生MF郡司璃来が同点ゴール

[7.7 練習試合 U-16日本代表候補 1-2 市立船橋高]

 インターハイ予選での敗退から新たなスタートを切っている名門・市立船橋高(千葉)が、U-16日本代表候補に勝ち切った。

 この日は定期試験後に移動してU-16日本代表候補と対戦。DF針谷奎人(3年)やMF山本大輝(3年)ら主力組が先発した前半に関しては、決して内容が良かった訳ではないものの、試合の中で修正して主導権を握る。

 そして、素早い奪い返しと、コンビネーションで空いた中央やDF背後を突く攻撃でビッグチャンスを連発。前半アディショナルタイムに「こぼれ球を拾って、シュートコース見えたので打ちました。狙って打って、良いところに当たって良いところに行ったので良かったです」というMF郡司璃来(1年)が右足シュートを叩き込んで追いつくと、メンバー総入れ替えで臨んだ後半の選手たちが非常にモチベーション高いゲームを見せた。

 波多秀吾監督も「(先発とサブは)少しずつ差がなくなってきている」と分析していたが、後半に出場した主力級のMF坪谷至祐(3年)やFW松井達誠(3年)らが奮闘。21分にMF荒木廉生(3年)のインターセプトから、松井のスルーパスでMF土岐泰斗(2年)が抜け出し、右足で勝ち越し点を奪った。その後、ゲームをコントロールしながら、相手の反撃を凌いで勝利。プレミアリーグ残留、そして選手権での日本一へ向けて一つ積み重ねる白星となった。
 
 この日先発した郡司とMF太田隼剛、MF内川遼、FW渡邉大和の1年生たちにとって、同世代のU-16日本代表候補戦はアピールの機会に。その中で特に存在感を示したのが郡司だ。

 前半27分、31分とタイミングの良い抜け出しでGKとの1対1に。これを決め切ることができずに猛省していたが、それでも得意のドリブルで左サイドを切り裂いてゴール前のシーンを作り出し、最後は豪快な一撃で結果も残した。

「裏抜けるタイミングも良かったので、自分の持ち味のドリブルを活かしていけば代表でも活躍していけると思います。自分の持ち味のドリブルをもっと見せていきたいです」と郡司。強みに加え、課題として取り組んでいる守備のスライドの部分や運動量の部分もレベルアップさせてチャンスを掴むつもりでいる。

 兄・FW郡司篤也は市立船橋1年時のインターハイ初戦でハットトリックの衝撃デビュー。得点ランキング3位の計5得点を挙げ、日本一獲得に貢献している。今年のインターハイ千葉県予選は、準々決勝で習志野高に敗戦。郡司は兄のように1年時からインターハイ日本一を経験することはできなかったが、先輩たち同様、敗戦から切り替えて冬への準備を始めている。今年は鍛錬の夏となるが、「覚悟できています」ときっぱり。より力をつけて選手権での活躍を狙う。

 怪我に苦しんだ兄からは、「オマエがプロになれ」と言葉を受けて臨んでいる高校1年目。「まず千葉県大会優勝して選手権全国で1位を獲っていきたいです」という目標のためにも、代表入りを果たすためにも、競争力が高まってきている名門で進化し、抜きん出た存在になる。

(取材・文 吉田太郎)

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