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「勇紀だったらできると思った」…相馬、悔しさ残るマッチアップも酒井から貴重なアドバイス

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MF相馬勇紀(名古屋)とDF酒井宏樹(浦和)

 最も対戦したかった相手が目の前にいる。U-24日本代表MF相馬勇紀(名古屋)はDF酒井宏樹(浦和)に対し、思い切りよく仕掛けた――。

 ハードなスケジュールをこなしている。6月22日に初戦を迎えたACLグループリーグが行われるタイに飛び、中2日での6連戦をこなしてきた。決勝トーナメント進出に貢献すると、7日に行われた最終節翌日にはU-24日本代表に合流。9日はホテルでの室内トレーニングを行い、10日には全体練習に合流した。

 気になるのはコンディション面だが、「回復する時間を頂いたので、体も気持ちもリフレッシュできた。連戦を戦っていたのでキレやコンディションは問題ない」と話したように、10日の練習でも持ち味のスピードを生かした鋭いプレーを見せていた。

 そして、ハーフコートでのミニゲームでは、左サイドハーフに入った相馬が、相手の右SBを務める酒井と対峙する場面があった。6月シリーズから、「一番楽しみにしていた」という酒井とのマッチアップ。一瞬の加速で抜き切るかと思われたが、酒井にストップされてしまう。プレー後には酒井から声を掛けられる場面があった。

「あのシーンで言えば、もっと内側にドリブルのコースを変えた方がいいというアドバイスをもらいました。確かに、その通りだなと思った」。そして、酒井も2人のやり取りを明かす。

「勇紀が僕のところから一歩抜けた。あの体格を生かして自分の下にもぐり込んで、一個前にボールを出してしまえば、僕が勇紀に触ればファウルでFKやPKになる。細かい部分かもしれないけど、そこでFKやPKになれば1点が生まれるかもしれない。勇紀だったらできると思って声をかけさせていただきました」

 A代表のレギュラーを張るオーバーエイジからの貴重なアドバイス。しかし、抜き切れなかったことに悔しさもあるようで、「一つ言い訳すると、2日休んだ後だったので、馬力の部分も全然。酒井選手に言われたとおり、内側に体を入れたかったけど体がついていかなかった」と苦笑しつつ、「もし次対戦する機会があれば絶対に抜きたい」と意気込みを見せた。

 翌日には、キリンチャレンジカップでU-24ホンジュラスと対戦する。ハードなスケジュールをこなしてきたが、「自分的には出る準備をしています」とピッチに立ち、自慢のスピードを武器に、そして“先輩”からのアドバイスを生かし、好機を生み出したい。

(取材・文 折戸岳彦)
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