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常葉大橘は無回転FK弾決めたFW豊泉優大中心に静学苦しめ、自信に

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後半20分、常葉大橘高FW豊泉優大が無回転FKを決めて同点

[7.10 プリンスリーグ東海第10節 常葉大橘高 2-3 静岡学園高 常葉大橘高G]

 後半アディショナルタイムの失点で惜敗。首位・静岡学園高の開幕9連勝を止めることはできなかったが、常葉大橘高は4月の開幕戦で1-3、シュート2-20で敗れた相手との差を縮めていることを示すような戦いだった。

 序盤から静岡学園にボールを握られる時間が増えていたものの、コンパクトな陣形を維持し、サイドでのチャレンジ&カバーやゴール前でクロスを弾くことを徹底。そして、奪ったボールを簡単には失わず、素早く正確なパスを前線へ繋ぎ、アタックするところまで持ち込んでいた。

 前半31分に左サイドでのスルーパスからFW高橋快(3年)のゴールで先制。逆転されながらも、後半20分に「練習ではできているんですけれども、本番で入ったことなくて。(ただ、今回は)蹴る前に追い風を感じて決めれそうだなと。コース甘かったんですけれども」というFW豊泉優大(3年)の強烈な無回転FKが、相手GKの手を弾いてゴールを破った。

 前線でしっかりとボールを収めて攻撃の起点になり続けていた豊泉をはじめ、CB上村龍太郎主将(3年)やCB小林愛翔(3年)ら個々も健闘していた印象だ。勝ち点1を十分に掴めそうな内容だっただけに、試合後悔しさを滲ませていた選手たち。松下義生監督は3失点したことやビルドアップからシュートまで持ち込めなかったことを反省点に挙げていたが、選手たちの悔しがる姿を前向きに捉えていた。

「(前回はまだ差があったが、)チキショー、というところまで行ったことは良かった」と頷き、豊泉も「前やった時は手もつけられないような完敗だったんですけれども、チームとしてやることをはっきりさせてインターハイとかも戦ってきて、3失点しちゃったんですけれども守備もしながら少しずつ自信をついてきたのかなと思います」。選手権までの期間で結果をひっくり返すところまで持って行くことを目指す。

 無回転FK弾で強烈なインパクトを残した豊泉は、卒業後にサッカーで勝負することを考えているという。県選抜に名を連ねている選手ではないが、静岡学園相手にも堂々のプレー。「自分の攻撃の起点になるところやシュートやパス、ビルドアップとか崩しにかかわるところも得意なので見て欲しいです」。パスのアイディア、精度も魅力で、スルーパスから決定的な仕事をすることもできるFWはその回数をより増やしていくことや、井幡博康テクニカルアドバイザー(前Honda FC監督、元常葉大橘高コーチ)から指摘されている力の入れどころの使い分けを求めていく意気込みだ。

 憧れの選手にMFメスト・エジルやMFルカ・モドリッチという名手の名を挙げる豊泉は公式戦などで自身のアピールも表現しながら、チームメートとともに結果を残す。
 
(取材・文 吉田太郎)
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