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豊富な交代枠“あえて”使わなかった森保監督「この試合ではキツい思いをしてもらった」

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U-24日本代表の森保一監督

[7.12 キリンチャレンジ杯 U-24日本 3-1 U-24ホンジュラス ヨドコウ]

 東京五輪の開幕戦を10日後に控える中で迎えたキリンチャレンジ杯・ホンジュラス戦、U-24日本代表の森保一監督は、試合から離れていた欧州組をあえて長い時間プレーさせるトライを行った。指揮官は試合後のオンライン会見で「長い時間プレーできた選手がいるので、1試合戦えるだけの体力的なところは感覚として戻ってきたと思う」と手応えを語った。

 今回のキリンチャレンジ杯は本来であれば、交代選手11人を起用することができる変則レギュレーション。しかし、森保監督はこの日、ベンチ入りしていたGK大迫敬介とトレーニングパートナー4選手を試合に起用せず、後半17分からDF板倉滉とFW前田大然、同35分からDF橋岡大樹とDF町田浩樹とMF相馬勇紀、同42分からトレーニングパートナーのMF藤田譲瑠チマを投入するにとどまった。

 その結果、GK谷晃生、DF冨安健洋、MF遠藤航、MF堂安律、MF三好康児の5選手がフル出場。DF中山雄太が87分間、DF酒井宏樹とDF吉田麻也とMF久保建英も80分間のプレータイムを獲得し、負荷の高いトレーニングマッチとなった。

 この日の後半は選手たちに疲労の色が見られ、1失点を喫するなど苦戦が続いていた。それでもあえてこうした起用法をとった背景には、5月にシーズンが終了し、その後は実戦から遠ざかっていた欧州組がゲーム体力を取り戻せるような配慮があったという。

 試合の総括で「前半に良い形でチャンスを多く作ることができ、守備の部分でもリスク管理等々スキなく試合を進められたことがよかった。選手たちはできたことをさらに上げるというところの感覚を掴んでもらいたいと思う。後半に入って相手が5人フレッシュな選手を入れてきた中で、われわれは選手交代をしなかったという部分では、相手から押し込まれるということもある程度想定していたが、そこでもなんとか前半同様、もう少し攻撃のクオリティーを出して、相手が前に出てくるところで3点目を奪えたらよかった。そういう意味で反省すべきところもあった」と振り返った森保監督は次のように続けた。

「ただ体力的に厳しいところはあったが、選手たちの多くが約1か月間くらいフルに試合をしていない中、キツい中でプレーしてもらおうというところがあった。この試合ではキツい思いをしてもらったが、体力的には五輪本大会に向けて一つ前進できたと思っている。3-1というスコアの中でピンチも多くあって、選手たちにこの厳しい戦いの中で五輪を勝っていくんだという感覚を持ってもらえたのもよかった」。

 また中2日での戦いが続く五輪本大会は疲労時のパフォーマンスも結果を左右するところ。指揮官は「キツいからボールが動かないのではなく、体力的にキツい中で五輪の舞台を戦い、勝っていかないといけないので、疲労が出た時にクオリティーをあげて、ゲームコントロールできるように、攻撃に向かって行けるようにしないといけない」と狙いを語った。

 ここからはコンディション調整もしつつ、17日のキリンチャレンジ杯・スペイン戦、そして22日の五輪開幕戦・南アフリカ戦に臨む予定だ。森保監督は「練習ではこれまでどおり激しく厳しくやってもらいたいが、強度をコントロールしながら、スペイン戦に向けて、本大会に向けて、コンディションをあげられるようにしたい」と意気込みを語った。

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