[7.14 MS&ADカップ 日本女子 1-0 オーストラリア女子 サンガS]

　背番号10として初めて決めたゴールが、東京五輪に向けた仕上げの一発となった。なでしこジャパン(日本女子代表)のFW岩渕真奈は「PKを蹴らせてくれた仲間に感謝ですし、決めることができて、内容は満足していないけど、結果はいいスタートが切れたのかなと思う」と振り返った。

　後半8分、左サイドを駆け上がったMF長谷川唯のクロスが相手のハンドを誘うと、ペナルティスポットに立ったのは新10番の岩渕だった。「(キッカーは)決まっていなかったけど、ちょっと蹴りたいと思っていたら、唯が『ブチさん』と言ってきたので蹴った」。冷静に左を狙ったシュートがネットを揺らし、五輪前ラストマッチの唯一のゴールとなった。

「この東京五輪という大きな舞台で、彼女がチームの浮き沈みを背負って立つぐらいの気迫で、10番を背負ってグラウンドで躍動してくれることを強く期待している」。高倉麻子監督から、大きな期待を背負って任された10番。そんな岩渕にとって、この日のパフォーマンスは満足のいくものではなかったという。

「想像より夜がキツくて、もう少し攻撃の回数、ボールに絡むところをしないといけないと感じている。結果は1-0で勝てたことは良かったけど、全てが良かったかと言われるとそうではない。チームでもう少し攻撃のバリエーションは増やしていきたい」。

　ピッチ上は「湿気がすごかったので、そういう意味でも昼とは違うキツさがあった。夜だから大丈夫かなと思っていたぶんキツかった」といい、同じく夜や夕方に試合が行われる東京五輪に向けても大きな教訓を得た。岩渕はこの経験を「気候の部分も時間の部分も、相手の部分も自分たちにとっては全部ポジティブ。この時期にこういう試合ができて良かった」と前向きに振り返った。

　一方、守備では「狙い通り取れているシーンもあったし、スピードでぶっちぎられるシーンはそこまでなかったので、良かったと個人的には思っている」と手応えがあった様子。五輪開幕戦のカナダ戦はいよいよ7日後。「多くの選手が絡んでゴールに迫れるシーンはあまりなかった」という課題を胸に、トレーニングを重ねていくつもりだ。

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