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「強いだろうなと率直に思う」DF吉田麻也が語ったスペイン戦の価値

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DF吉田麻也(サンプドリア)

 オーバーエイジ選手として東京五輪に臨むU-24日本代表のDF吉田麻也(サンプドリア)が16日、報道陣のオンライン取材に対応した。17日のキリンチャレンジカップ・U-24スペイン戦は、本大会に向けて最後の強化試合。キャプテンを担う吉田が先頭に立ち、チームの完成度を上げていく構えだ。

 吉田にとって、五輪世代のスペイン代表は因縁の相手。同じくオーバーエイジで出場した2012年のロンドン大会初戦で対戦し、MFイスコ、MFコケ、FWフアン・マタ、DFジョルディ・アルバ、MFハビ・マルティネスら後のトッププレーヤーを擁する強敵相手に歴史的勝利を挙げたという過去がある。

「それ以外ではスペインでやっていないし、相手も負けたイメージがあると思うので、練習試合とはいえ負けられないという気持ちで来ると思う。相手として非常にいいんじゃないかと思うし、強いだろうなと率直に思っている」。

 そのように警戒を語った吉田はこの日、スペインとの再戦にモチベーションをたぎらせた。

「ヨーロッパチャンピオンであり、今回の優勝候補だと思うので、来日して間もないという意味ではコンディションに不安もあると思うが、間違いなく実力はあるチーム。自分たちの立ち位置を確認することもそうだし、泣いても笑っても最後の1試合なので、引き続きいい準備をして、良い試合をして、本大会に臨めるようにしたい。EUROで活躍した選手が多くいて、ヨーロッパの強豪チームで戦っている選手が多いので、おのおのの実力差や立ち位置を確認できるという意味でも良い試合になる」。

 スペイン戦に向けて吉田が強調したのは「引き続き良いゲームの入りをすること、試合を支配すること、そして支配する中でも流れを相手に渡さないこと、ゲームのテンポを考えること、あとは決め切るときに試合を決め切ること」。時間帯によっては押し込まれる時間も想定しつつ、本大会に向けたトライを重ねていくつもりだ。

「押し込まれる時間帯はあると思うし、苦しい時間帯の乗り切り方、ゲームの割り切り方が大事になると思う。6月シリーズはそういうシチュエーションにならなかったので、もしそういうシチュエーションになれば、そこで我慢すること、どういう選択をするかをもう一度再確認しないといけない」。

 すでに選手間では「流れが悪いなかで意識してボールを繋ぎましょうとか、ボールを失わないようにしましょうといったところをすり合わせたいと話している」といい、「ピッチ内で話し合いながら解決したい」とミッションは明確。「本番になるとプレッシャーがかかって状況判断が悪くなるので、そうならないために良い準備が大事だし、良い共通理解を持つことが大事」と力を込める。

 日本の選手の中には国際経験がそう多くない選手もいるが、吉田は「一番は相手の得意な形に持って行かせないことが大事。どんなに良い選手でも得意な形は必ず持っているので、そこを出させないように、個としても組織としても相手の良いところを消しながらサッカーをするのが大事」とアドバイス。むしろここで得た経験を、日本が世界の中で戦うための“目線合わせ”のチャンスとしていく構えだ。

「日本が世界のトップトップと互角に戦うためには泥臭く戦わないといけないし、自分たちは上手くないんだということを理解しないといけない。みんながハードワークしないといけないし、一人がサボるとそこでほつれが出てしまう。抜け目のない試合をしないといけない」。

「みんながハードワークしないといけないということをこの試合で理解すると思う。自分たちがどれくらいの立ち位置にあるのか、どれくらいの差があるのかを理解する良い相手になる。そういう意味で大会前にこうした相手と戦えるのは非常に貴重だと思う」。

 見据える先はあくまでも五輪本大会初戦。それでも頼れるキャプテンのもと、きわめて貴重なテストマッチの機会を最大限に活かす準備はできている。

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