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五輪本大会を見据えた森保監督「コロナ禍を肯定はできないが、難しい状況の中で成長してくれた」

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U-24日本代表の森保一監督

[7.17 キリンチャレンジ杯 U-24日本 1-1 U-24スペイン ノエスタ]

 U-24日本代表の森保一監督は1-1の引き分けに終わったキリンチャレンジカップ・U-24スペイン戦の試合後、「スペインに押し込まれる時間も長くあったが、世界のトップオブトップの力を持っているチームに対し、粘り強く戦いながら得点チャンスをうかがう戦いをしっかりしてくれた」と前向きに振り返った。

 U-24日本代表は前半、スペイン相手にボールを握られる時間が続いたものの、MF久保建英(R・マドリー)の果敢な突破からMF堂安律(PSV)が美しいゴールを決め、1-0で折り返した。後半は大きくメンバーを入れ替え、テスト色の強い戦いとなったが、前半45分間では格上を相手に勝利を狙うゲームプランをうまく表現していた。

「選手たちがゴールに向かっていくという部分で、いい守備からいい攻撃に、勇気を持ってボールに絡む、一人一人が攻撃で局面を打開することも考えながら、チームで連係連動しながら崩していこうということで、いい形で連係連動が出てゴールに結びつけてくれた」。

 得点シーンに満足感を見せた指揮官は「攻められはしたが、われわれが個の局面で責任を持って守ることと、コンパクトブロックから相手の攻撃を制限してボールを奪うことで相手が嫌がるということ。それがわれわれの武器としてわれわれの武器として試合にも活かせるというイメージを、強豪のスペイン相手に選手も持ってもらえたのかなと思う」と前半の戦い方への収穫を口にした。

 また後半の選手交代では、先発11人に加えてベンチ入りしていた9選手を起用し、第3GKの鈴木彩艶、AFCチャンピオンズリーグ帰りで別メニューが続くMF三笘薫を除いた20人を強豪のスペイン相手にテスト。森保監督は「多くの選手がレベルの高い相手との戦いを経験でき、東京五輪に向けて非常にいい試合をさせていただいた」と述べた。

 一方、失点した時間帯にはなかなかボールにアプローチができず、課題も突きつけられる形となった。

「リトリートしてある程度相手の攻撃を引き込みながら守りながらも、ブロックを作って終わり、ポジションを取って終わりではなく、ボール保持者に出ていくというところは修正しないといけない」。

 そう語った森保監督は「サイドを崩された失点の場面はサイドハーフの選手が守備の対応をしたと思うが、そこら辺は攻撃の選手が攻撃だけでなく、勝っていくためには守備もチームとしてやっていかないといけないことを全選手が認識してくれた」と失点場面を教訓とし、「対応で後手を踏んだことはあると思うが、1-1になってからは割り切って、相手ボール保持者にプレッシャーをかけることをやってくれて、ある程度対応はできてきたかなと思う」と改善が見られたことも強調した。

 本大会初戦の南アフリカ戦は5日後。ここからはコンディション面にも配慮しつつ、最終仕上げをしていく構えだ。指揮官は「チーム全体として90分戦うだけのコンディションは作ってこられている。今日は高温多湿で足元、芝の状態も滑りやすい状況の中、負荷がかかっていると思うので、そこはリフレッシュしながら今日の成果と課題を残りの時間でトレーニングで確認して、チーム状態を少しでも良くしていきたい」と先を見据えた。

 また指揮官は最後にコロナ禍という難しいコンディションにおいての選手の成長を称えた。

「コロナ禍でリーグ戦がなかなかできない中、レギュレーションが変わる中でのシーズンだったが、Jリーグではたくさんの若手がコロナ禍のレギュレーションで起用され、すごくたくさんの選手が成長してきた。ヨーロッパで活動している選手も練習ができないこともあった中、みんな逞しく成長している。コロナ禍を肯定はできないが、難しい状況の中で成長してくれたと実感している」。

 その上で五輪本大会に向けて「厳しい戦いになることは覚悟しないといけないし、その中でも粘り強く戦いながら、攻撃も勇気を持ってトライしていくことができれば必ず結果は出ると思っている。選手たちにはまずは勝ちにこだわることはもちろん大切だが、勝つためには自分の力を思い切って発揮すること。個の部分と組織力を発揮してもらいたいと思う」と意気込みを語った。

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