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U-24日本vsU-24スペイン 試合後の森保一監督会見要旨

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 U-24日本代表は17日、キリンチャレンジカップでU-24スペイン代表と対戦し、1-1で引き分けた。試合後、森保一監督がオンライン会見に出席した。

以下、森保一監督会見要旨。

「まずは応援をしてくださった全てのみなさんに感謝申し上げたい。観客が入った中、サポーターの皆さんの応援の中、素晴らしい中で試合ができたことを幸せに思うし、良い準備がチーム全体でできたので、五輪に向けてさらに上げていけるようにしたい。試合内容としてはスペインに押し込まれる時間も長くあったが、世界のトップオブトップの力を持っているチームということ、その中で粘り強く戦いながら守備だけでなく攻撃にもトライしてゴールを目指していこうということで、粘り強く戦いながら得点チャンスをうかがう戦いをしっかりしてくれた。しかしながら、まだまだ相手の圧力に対して、守から攻の部分、さらにいい守備ができることと、相手が嫌がる攻撃ができるように今日のいい経験をもとに準備していきたい。東京五輪では金メダルという目標の中、厳しい戦いが待っているということを今日GKは一人出場できなかったが、多くの選手がレベルの戦い相手との厳しい戦いを経験でき、東京五輪に向けて非常にいい試合をさせていただいたと思う」

――前半はボールを保持された中で割り切って守っていたが、飲水タイムを経て前に行くことができたが、あの時点でどのような指示があったのか。また状況に応じて戦う部分はどう捉えているか。
「飲水タイムの指示は至ってシンプルで、粘り強くこのまま攻撃の部分で相手のゴールを目指していくということを選手たちに話をした。サイドの部分でサイドチェンジから数的優位を生かして攻撃をするところで守備を揺さぶられていたところがあったので、サイドバックとサイドハーフのところの守備の連係をイメージを合わせるようにということで話をした。試合全体を通して、監督の指示待ちで何か対応するのではなく、その状況に応じて理想と現実を把握しながら自分たちでコミュニケーションを取って対応力を見せてくれた。その結果、我慢強い戦いの中でも前半にチャンスを作ることができて、1-0とリードすることができたのかなと思う。選手たちのコミュニケーション能力であったり、修正能力を五輪本大会でもより発揮してもらえるように準備したい」

――メダルマッチを見据えると厳しい展開も耐えないといけない中で手応えのある試合になったと思うが、本番にどうつなげていきたいか。
「おっしゃる通りです。これまでオーバーエイジが融合してからの試合ではわれわれがボールを握って、攻撃を仕掛けられる試合が多かったなかなか我慢強い守備を強いられるシーンがホンジュラス戦では多少あったくらいで、今日の試合を通して、世界の強豪との厳しい戦いが待っているという経験ができたのが良かった。今日は攻められはしたが、我々が個の局面で責任を持って守ることと、コンパクトブロックの中から相手の攻撃を制限してボールを奪うところ、それが相手が非常に嫌がるということ、われわれの武器として試合にも活かせるということを強豪のスペイン相手に選手にも感覚として持ってもらえたのかなと思う」

――後半はかなり右サイドから崩されてチャンスを作られていたが、何か対策はなかったのか。
「1-0から1-1にされるまで、勝っている状況で相手の攻撃力もあるので、少しボールを握って出ていけない状況はあったが、そういった部分の対応、リトリートしてある程度相手の攻撃を引き込みながら守りながらブロックを作って終わり、ポジションを取って終わりではなく、そこからボール保持者に出ていくというところは修正しないといけないかなと思っている。サイドを崩された失点の場面もサイドハーフの選手が守備の対応をしたと思うが、そこら辺は攻撃の選手が攻撃だけでなく、勝っていくためには守備もチームとしてやっていかないといけないことを全選手が認識してくれたと思う。対応で後手を踏んだことはあると思うが、1-1になってからは割り切って、相手ボール保持者にプレッシャーをかけることをやってくれ出して、ある程度対応はできてきたかなと思う」

――コンディション面の向上は見られたか。また今後どう調整していくか。
「コンディション面で言えばホンジュラス戦で90分間出た選手、後半途中まで長時間出た選手に関しては間違いなく今日はコンディションが上がっていたと思う。試合展開として、われわれがボールを握って相手を押し込んでいく展開には持ち込めなかったが、我慢強く耐えながら攻撃に出ていくところをできたということは、コンディションがしっかり上がっているというところがプレーに出ていたのかなと思う。これからコンディションをどう上げていくかについては、チーム全体として選手たちが90分戦うだけのコンディションは作ってこられていると思うので、今日はかなり高温多湿で足元、芝の状態も滑りやすい状況の中、負荷がかかっていると思うので、そこはリフレッシュしながら今日の成果と課題を残りの時間でトレーニングで確認して、チーム状態を少しでも良くしていきたい」

――先制点の部分はいままで求めていた連係連動が出た形だと思うが、どう感じているか。
「おっしゃる通りです。選手たちがボールに向かっていくという部分で、いい守備からいい攻撃に、勇気を持ってボールに絡むということ、一人一人が攻撃で局面を打開することも考えながら、チームで連係連動しながら崩していこうということで、いい形で連係連動が出てゴールに結びつけてくれた。他にもチャンスは作れたし、より相手が困るような攻撃の回数を増やせるよう、選手たちには勇気を持って攻撃のトライをしてほしいし、勇気とか頑張りだけでなく、速い判断力と予測能力を持って、日本人の良さであるモビリティやアジリティを出して崩していけるよう、今日の得点も含めてイメージしてもらいたいと思う」

――2点目が取れるチャンスがあった中で取れなかったが、本大会で2点目を取るところに関してはどうか。
「ホンジュラス戦もまずは前半で決められるチャンスがあったが、実際は2-0で後半に入った。後半は相手が出てくる中で3点目を奪って、ゲームをより優位に進める部分でやっていければと思っていたが、2-1とされた。ただ時間はかかったが、押し込まれるだけにならず3点目を仕留められたのは良かった。さらにより早い時間でいいゴールを取れるようにという反省を持ってスペイン戦に臨んだが、1-0とリードした中で追加点のチャンスをつくるという部分では、ある程度できたと思うが、しっかり仕留めるという決定力の部分は選手たちに要求していきたい。前半も守備でボールを奪ったあとにもっと動かせるところはあったりしながらも、いったん速攻ができなかったときにボールを動かして、サイドを起点に攻撃を仕掛けるという工夫を選手たちがしてくれたところは五輪本大会で、相手を仕留めていくために使えると思う。後半は一気にメンバーが大きく変わったのでイメージを合わせるのは大変な作業だったと思うが、守から攻でだいぶ押し込まれたままロストをしていたので、相手がプレッシャーにくる中で一つ二つプレッシャーを外して決定機を作ってモノにできるよう、選手たちが考えられるよう、クオリティーを上げられるよう短い時間で準備したい」

――森保監督は選手を成長させながら準備させるのが哲学だと思うが、6月と7月を総括してその部分でかなり満足、手応えを感じているのではないかと思うが、どう総括しているか。
「おっしゃる通りだと思う。6月の活動には参加できなかったが、映像を見て、コーチングスタッフに話を聞いた中での選手たちの成長を感じさせてもらっていた。実際にこの五輪の準備期間から五輪メンバーの選手たちと活動していく中、メンタル的にもフィジカル的にもたくましくなっているし、戦術のなかで自分のストロングポイントを出すことと、対応能力等々がすごく成長していると思っている。コロナ禍でリーグ戦がなかなかできない中、レギュレーションが変わる中でのシーズンだったが、Jリーグではたくさんの若手がコロナ禍のレギュレーションで起用され、すごくたくさんの選手が成長してきたと思っているし、ヨーロッパで活動している選手も練習ができないこともあった中、みんなたくましく成長していると思う。コロナがあってはいけないし、肯定は決してできないが、選手たちは難しい状況の中で成長してくれたと実感している」

――五輪に向けての意気込みを。
「今日の試合を見ていただいて、評価はみなさんにお任せしますが、厳しい戦いになることは覚悟しないといけないし、その中でも粘り強く戦いながら、攻撃も勇気を持ってトライしていくことができれば必ず結果は出ると思っている。勝つためには勝ちにこだわるということはもちろん大切だが、選手たちにはまずは自分の力を思い切って発揮することと、個の部分と組織力を思い切って発揮してもらいたいと思う」

●東京オリンピック(東京五輪)特集ページ

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