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序列を覆すFW林大地、実感しているのは「『できるな』というよりも…」

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U-24日本代表FW林大地(鳥栖)

 気付けば先発を狙える位置まで上り詰めた。自身がアピールを成功させたのは当然だが、U-24日本代表FW林大地(鳥栖)は「仲間が自分に自信を与えてくれている」ことを強調した。

 初招集されたのは3月シリーズ。本大会まで半年を切った時期だったが、U-24アルゼンチン戦でゴールを奪うなどアピールを成功させると、続く6月シリーズにも選出される。6月22日に発表された東京五輪メンバー18人の中に名前はなく、バックアップメンバーとして帯同することになるも、枠が22人に拡大されたため本大会メンバー入りを果たした。

 事前合宿中には、ライバルとなるFW上田綺世(鹿島)が負傷、FW前田大然(横浜FM)が脳震とうからの復帰プログラムをこなした影響もあり、12日のU-24ホンジュラス戦、そして17日のU-24スペイン戦では先発に名を連ねた。

「バックアップという立場から22名に変わり、そこから2試合、本大会が始まるギリギリまで自分をアピールできるチャンスがあったと、すごく思う」

 試合では最前線に入って、体を張ったポストプレーで味方の攻め上がりを促すだけでなく、猛烈なプレッシングで守備でも貢献。十分なアピールを成功させ、スタメンは手の届く位置に。ピッチ上での存在感は増しているが、感じているのは「『できるな』というよりも、すごく力強い、頼りになる仲間がいるというのが自分に自信を与えてくれている」ということだった。

「多少、むちゃなボールを出してもうまくやってくれるし、わがままな動きをしても、それに合わせてボールを出してくれる。仲間に信頼があるし、一緒に戦っているメンバーに自信があるので、自分ももっとやらないといけない気持ちにさせてくれます」

 2日後には本大会初戦・南アフリカ戦を迎える。「相手を背負っているときのプレーの正確さや、自分がつぶれて味方を生かすプレー」を意識しつつ、「そういったときにも、強引にでも反転して前を向いたりして、何とか得点に結び付けたい」とチームを勝利へと導くゴールを狙っていく。

(取材・文 折戸岳彦)
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