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プレミア昇格へ。大阪桐蔭にリベンジの興國がプリンス関西2位浮上

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後半31分、興國高FW永長鷹虎(11番)が決勝点

[7.19 プリンスリーグ関西第1節 興國高 1-0 大阪桐蔭高 J-GREEN堺 S5]

 高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西第1節の興國高(大阪)対大阪桐蔭高(大阪)戦が19日に行われ、興國が川崎F内定FW永長鷹虎(3年)の決勝点によって1-0で勝った。興國は2位浮上。大阪桐蔭は2位から4位へ後退している。

 興國にとって大阪桐蔭は、因縁の相手。6月のインターハイ大阪府予選準決勝では、ボールを支配しながらも1点が奪えずに0-1で敗れている。この日は伝統的に相性の悪い難敵との上位対決だったが、リベンジを果たした。

 前半、興國がボールを握る時間を増やすが、大阪桐蔭はコンパクトな陣形でパスコースを限定。相手のパスワークをスピードダウンさせ、守備ブロックに入ってくる選手に対しては強く当たってボールを奪い取った。インターハイ予選準決勝でも活躍した左SB朝山大輝(3年)と右SB丹羽希(3年)の両DFがこの日も相手のサイド攻撃に蓋をし、決定打を打たせない。

 大阪桐蔭はCB小林柾輝主将(3年)が怪我で不在。加えて、インターハイへ向けたテストもあって、メンバーを大きく入れ替えての戦いだった。だが、素晴らしいタックルを決めていたCB平田大翔(3年)と1年生CB尾崎凱琉も健闘し、興國に思うような攻撃をさせなかった。また、先発復帰したMF奥野龍登(3年)が存在感ある動き。MF室勇志(3年)も右サイドの突破口になるなど、各選手がチームプレーの中で特長を発揮していた。

 だが、GK岩瀬陽(3年)が「同じ相手に2回負けないぞという気持ちでやっていたので。スタメン、ベンチの選手を含めて気合は入っていたと思います」と振り返ったように、興國は打倒・大阪桐蔭への思いの強さを表現する。

 後半立ち上がりに岩瀬が相手FWとの1対1を粘り強く阻止。また選手交代に伴い、後半は前向きなビルドアップができるようになった。そして、強引な仕掛けが止められていた永長とFW荒川永遠(3年)のポジションを入れ替えると、攻撃の流れが好転。長めのボールも織り交ぜた攻撃で永長が抜け出すシーンなども作り出した。

 そして31分、興國は荒川がDFを引きつける形で右サイドを抜け出そうとする。相手の守備連係がやや乱れた隙を突いた永長がボールを奪い、強引にゴール方向へ。最後は左への動きでGKをずらし、左足で先制点を叩き込んだ。

 内野智章監督が「ミスしても動じない」と評した左SB坂本稀吏也(3年)とMF宇田光史朗(2年)らがジャブを打ち続けたことも効果を発揮し、エースが4戦連発。大阪桐蔭は37分にワンツーからMF大倉凛也(3年)が右足を振り抜き、43分には相手DFのミスを突く形でFW柳秀聖(2年)が抜け出したが、いずれもGK岩瀬がストップする。そのままリードを守った興國が1-0で勝利した。

 興國はインターハイ予選敗退後のプリンスリーグ関西再開初戦でインターハイ大阪王者の阪南大高を撃破。だが、続く履正社高(大阪)戦で逆転負けを喫していた。永長は「履正社戦負けた時から、『チームとして2度と負けんとこ』と言っていたので、勝てて良かったし、インハイの時は前半入り悪くて後半もあまり良くなかったんですけれども、今日は前半終わって後半ちょっと修正できたので、そこはインハイからちょっと成長できたかなと思います」と頷く。

 これでチームは2位浮上。岩瀬は「選手権に出たいという目標もあるんですけれども、一番はプレミアに上げたいですね。チーム内で良い競争が生まれているので、しっかりと競争しながらやっていければ負けなしも狙っていけるんじゃないかと思っています」。後輩たちにプレミアリーグ昇格をプレゼントするため、課題を改善しながら勝ち続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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