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湘南が新たに高校生の才能獲得。「収める」力と得点力兼ね備えた阪南大高FW鈴木章斗の加入内定を発表

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湘南ベルマーレ加入が内定した阪南大高FW鈴木章斗

 湘南ベルマーレは22日、阪南大高(大阪)FW鈴木章斗(3年)の22年シーズン加入が内定したと発表した。湘南は、U-18チームから昇格のDF石井大生とMF原直生、帝京大可児高(岐阜)MF鈴木淳之介、帝京長岡高(新潟)DF松村晟怜に続く高校生プレーヤーの獲得。阪南大高から直接Jクラブ加入の第1号となったFWは、「(湘南入りの決め手は)若い選手がいっぱい出ているのがあるし、そこでFWも外国人の方が多いので、自分がそこに行ったら試合にも出れて学べるかなと思いました。(サポーターには)自分の特長である収めて、貪欲にゴールを狙うところを一番見て欲しいかなと思います。行くからには開幕からスタメン獲るという気持ちはあるので、そこを目標にしていきたい」と力を込めた。

 鈴木は178cmと大柄だが、元々ドリブラーだったこともあってボールコントロール技術が抜群。浮き球を容易に収めて前を向き、しなやかなドリブルからシュートを打ち込む。ヘディングからの得点も多く、現在プリンスリーグ関西で得点ランキング首位の6得点。インターハイ予選でも準々決勝で2得点、決勝で1得点を挙げて阪南大高を全国出場、大阪王者へ導いている。

 鈴木はガンバ大阪ジュニアユース時代、SBやSHの控えだったという。阪南大高・濱田豪監督は「ボールを失わない選手という評価でしたね。ガンバの時は。(だが、)大きくないけれど懐(の深さ)は持っていた」と説明する。「(当時は) 途中から出るか、出えへんか。今考えたらやっていなかったりしていたので、納得しています」という鈴木はユースチームに上がることはできず。当時プレミアリーグWESTに所属していた阪南大高へ進学した。

 その鈴木は、高校1年時に関西U-16リーグ(関西U-16~Groeien~)でMVPを獲得するなど頭角を現す。SHを主戦場とし、テクニカルなドリブルでチャンスを作り出し、ゴールも。当時、憧れの選手にFW安部裕葵(現バルセロナ)を挙げていたドリブラーは、高校2年の春に転機が訪れる。中学時代に比べて身長が急激に伸びた彼は、SHからFWへコンバートされた。

 濱田監督がコンバートの理由の一つに挙げるのが、「(浮き球を)胸トラップができること」だ。「(阪南大高出身選手で)昔でいうと河田(篤秀、現大宮)も。長いボールを胸トラップせぇと。相手DFがパワフル系やったらマイボールにできるし、けえへんのやったらエリアに持っていけるし。(安易に浮きい球の)ヘディングはもったいない。ああいう(FWの)要素はありました」。その収める技術がプロへの道を切り開くための武器の一つになった。

 今春、湘南へ練習参加。「プレースピードは全然ついていけないですけれども、自分の特長の失わないところはできていたかなと思います」。SHでのプレーも可能だが、本人はFWで勝負する考え。前線でのボールキープや得点力はプロで生き残っていくための武器だと考えている。「キープ、起点作ってクロスに対するゴールとかは特長を出していきたい」

 湘南で得点を量産し、日本代表、海外移籍を思い描いているが、それが簡単に実現できるとは考えていない。「(湘南へ練習参加した際、)シュートは(東京五輪代表GKの)谷晃生くんとかはゴール小さく見えるし、それでも(先輩の)FWは決めてくるし、そこの差は結構感じました」。活躍するためには身体づくりや意識が高まってきた守備の部分の成長もまだまだ必要。それでも、ここからの半年、また湘南加入後に先輩や同期の選手たちと切磋琢磨しながら成長するだけだ。

 中学時代に控えで高校進学後も全国出場のない鈴木は無名。だが、「湘南ベルマーレは無名というか高校生ではめっちゃ知られているという選手もいないらしくて、そこで入って成長している選手がたくさんいるんだなと。自分も(同じように)成長して行けるのかなと考えています」。阪南大高入学当初から他にはない“ギラギラ感”を漂わせていたという鈴木は、G大阪ジュニアユース時代のチームメートを追い越す形でプロ入り。湘南でも貪欲に自分を磨き続けて目標を達成する。

左から阪南大高・濱田豪監督、FW鈴木章斗、湘南・牛島スカウト、湘南・坂本スポーツダイレクター

阪南大高FW鈴木章斗は関西屈指のストライカー

(取材・文 吉田太郎、写真協力=阪南大高)
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