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[MOM3520]興國FW永長鷹虎(3年)_川崎F内定レフティーは4戦連発も「ゴール前でもっと仕事ができるように」

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後半31分、興國高FW永長鷹虎(右)が決勝点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.19 プリンスリーグ関西第1節 興國高 1-0 大阪桐蔭高 J-GREEN堺 S5]

 プリンスリーグ関西で4戦連発。川崎F内定の高速レフティー、FW永長鷹虎(3年=リガールJPC出身)が決勝点を決め、興國高(大阪)を白星へ導いた。

 0-0の後半31分、FW荒川永遠(3年)が右中間から抜け出そうとすると、「自分のところに絶対にこぼれてくると分かっていたので、そこで走れていたので良かった」という永長がコントロールから強引にDFの前へ。そしてDFをいなしながら左足をいっぱいに伸ばしてシュートコースを作り出すと、前に出て来たGKの脇を抜く左足シュートを決めた。

 川崎Fに内定し、注目度が高まる中でゴールを連発。永長は「ボランチとかがボールを持った時に前までは足元だけで受けようとしていたんですけれども、背後だったりゴール前へのスプリントが増えていると思う。そこは得点に繋がっているかなとは思います」と自己分析する。

 内野智章監督は決勝点の永長をマン・オブ・ザ・マッチに指名した一方、「プレーの選択肢が1パターン」と厳しかった。この日、右サイドで先発した永長は、大阪桐蔭高の左SB朝山大輝(3年)とマッチアップ。得意のカットインが警戒される中で何度も縦に仕掛けていた。だが、抜き切れずにボールロストが増加。ムキになって仕掛け続けたことでチームの良い形をフイにしてしまっていた。

 指揮官は「フロンターレ決まって自信を持ってやるのはポジティブ。その代わりにオレが、オレが、が強くなってしまっている。良い部分と良くない部分がある」と指摘。昨年のエースFW樺山諒乃介(現山形)は状況に応じて相手のウィークポイントを突くことができていたというが、永長は警戒されている中でドリブル一辺倒になってしまい、変化させることができなかった。

 後半半ばにポジションを前線へ移してからは、自由を得て、鋭い抜け出しから決定的なシュート。そして決勝点をマークしたが、より味方も活用しながらプレーしなければならない。本人も「まずは点決められて良かった。でも、やり切れないところとかで課題がいっぱいあったので。相手が結構タイトに来ていたので1タッチとか2タッチとかで叩いて、ゴール前でもっと仕事ができるようにならないといけないと思います」と課題を口にしていた。

 視察に訪れた川崎Fの向島建スカウトと田坂祐介スカウトから「これから絶対に(マークに)付かれるので、その中でもできるようにならないといけないな」とアドバイスされていた永長は、先輩FW樺山の良いところを見習いながら改善する考え。「(得点を続けて取れていることを除くと)その他の部分で全部劣っているので、ああいう先輩がいるので吸収して、得点は続けて獲っていきたい」。永長が簡単には止まらなくなっていることは確か。自信を持ち続け、より自分の強みを良い形で活かして相手の守りを崩し、得点を獲り続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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