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U-24日本vsU-24南アフリカ 試合後の森保一監督会見要旨

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U-24日本代表を率いる森保一監督

 U-24日本代表は22日、東京スタジアムで開催された東京五輪初戦でU-24南アフリカ代表と対戦し、1-0の完封勝利を収めた。試合後、森保一監督が公式会見に出席した。

以下、森保一監督会見要旨。

――ブロックを作られてこう着状態になり、ゴールの糸口を見つけられなかった。後半に得点は入ったが、ハーフタイム、試合後の円陣で何を伝えたのか。
「まずハーフタイムに選手たちに掛けた言葉は、前半もチャンスは作れていたので、チャンスを作り続けてよりゴールへの意識を高めていこうと伝えた。チャンスを作れた中で、ボールを奪っていくところは、相手の守備も粘り強く、非常に組織だったところもあったので難しかった。前半よりもダイナミックにパワーをかけてこじ開けていくことを選手たちには伝えました。プラス、相手がカウンターや直線的にロングボールを使って攻撃してきていたので、リスク管理のところを伝えた。選手たちは前半の流れを感じ取って、みんなで意見交換してコミュニケーションをとりながら微調整、修正をしてくれていたのでそれが後半に生きたと思う。試合が終わってからは、まずはこの難しい初戦で勝ち点3を取れたこと、みんなの努力が結果につながって良かったと。サブの選手もメンバー外の選手もチームを支えてくれて、みんなで勝ち取れたと伝えた。次は中2日でメキシコ戦がやってくる。今日の試合をしっかり振り返ってメキシコ戦によりいい戦いをしていこうと伝えた」

――冨安選手のメンバー外の理由。
「冨安のコンディションの件ですが、昨日の練習で左足首を痛めまして、今日の試合には出場を見送るということになった。これからまた経過観察をして次の試合に出られるかというところで、痛み具合、コンディションを見て決めていきたい。今のところはいつまでに戻るとか、そういうことは今、お話しできる状態ではなく、次の試合も可能かもしれないというところです」

――初戦で難しい、南アフリカの報道もあって動揺しがちなところでしっかり戦った選手たちの精神力について。
「この試合に向けて南アフリカの選手がコロナ陽性になって、試合が行われるかどうかも含めて、かなりの情報がメディアの皆さんから出ていたけど、選手たちが南アフリカのコロナの情報に惑わされることなく、動揺することなく非常に準備をしてくれていました。今日の試合も初戦で非常に難しかった中、選手たちはまずは自分たちが何をできるかということを、トレーニングのところからコンディションを上げてきてくれて、試合の中でもなかなか相手のゴールをこじ開けるのが難しい展開の中、焦れずに我慢強く試合を進めることを実行してくれて試合をものにしてくれたと思う。この冷静さ、落ち着きは非常に今後のいろいろな戦いにおいても必要なことだと思うし、選手たちにはまたいい準備をしてもらいたいと思う」

――大会がスタートして強豪が黒星スタートだったり苦戦している。日本の選手たちにどういう形で予選を進めていくつもりだと伝えるか。
「他の会場の結果を全部知っているわけではないが、波乱が起きていることは情報として聞いた。見ている人からは波乱に見えるかもしれないけど、サッカーは何が起こるか分からない、試合が始まってみないと何が起きるか分からないということを、我々もしっかり考えておかなければならない。そういった意味では、今回の南アフリカのコロナの問題であったりするところで、選手たちが常に冷静でいてくれているので、全ての状況があり得る、すべての状況を乗り越えていかなければいけない。我々が自ら崩れていかないように、熱く戦う部分と冷静に戦う部分を、これまでのように持ち合わせてほしいと思っている。グループリーグを戦うにあたって、まずは選手たちには、これまで我々がやってきたコンセプトのベースの部分を共有しながらピッチ上で表現すること、プラス、相手とのマッチアップの状況でやってきたことを使い分けてもらえるようにしたいと思う。今日の試合でも、(会見に出席して)隣にいる(遠藤)航も含めて、オーバーエイジがしっかりコントロールしてくれた。東京五輪世代の選手たちも冷静に、イライラしそうなところも自分たちでコントロールしながら、お互いに声を掛け合って、チームとして戦いを進められたのは次につながっていくと思う」

――本来ならば観客がいたはずだった。無観客になったことによって失われたものがあるか。
「できれば選手たちには有観客の中、試合をさせてあげられたらという思いは、私にもあります。ここ東京スタジアムで東京五輪の初戦が決まった時、その前に2019年のラグビーW杯の初戦が、ここ東京スタジアムであって、あの時の開幕戦の盛り上がりをイメージしていたので、できればそういう中で選手たちにプレーして欲しかったと思う。選手たちにとっても、選手の大切な人たち、ファン・サポーター、そして五輪を楽しみにしていた方々にも、この試合を楽しんでもらえるような状況であれば一番良かったと思っている。しかしながら、無観客ということで、決まったルールの中で我々は戦うということ、目標であったりやるべき目的という部分では変わりはないので、選手たちには高みを目指して、どんな状況の中でもブレずに戦ってほしいと思っている。無観客ということについては、これまで、Jリーグであったり、プロ野球であったり、Jリーグでは1500試合以上有観客で試合を行っている中、コロナの陽性者が出ていないということをデータ的に見せていただいている。ですので、できればそういう状況で、ポジティブなデータがあるので、そういうデータのもと、安心安全と判断されるのであれば、有観客で、サッカーでも他のスポーツでも、する側、見る側、関わる人たちが楽しんでもらえるような環境になればいいなと思う。これは本当に個人的な意見ですが、もし有観客が可能であったとして、もう無観客が決定の中で、観客入場料というものはもう見込まれていないと思うので、そういったものをコロナ禍であったり、自然災害であったり、いま大変な思いをして困難な生活をされている方々にお渡しできるような、そういうことも、簡単なことではないかもしれないですけど、何のための五輪かというところで、日本の国民のみなさんが喜んでいただけるようなことになればと。もうすでに遅いとは思いますが、そういうことを願っています」

(取材・文 折戸岳彦)
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