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大阪桐蔭は主将不在も好守で興國に対抗。J内定FW封じた左SB朝山大輝、「目標は日本一です

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大阪桐蔭高の左SB朝山大輝(右)は興國高FW永長鷹虎を封じ続けた

[7.19 プリンスリーグ関西第1節 興國高 1-0 大阪桐蔭高 J-GREEN堺 S5]

 インターハイ出場校の大阪桐蔭高は、主将のCB小林柾輝(3年)が負傷欠場。だが、左SB朝山大輝(3年=エストレラ姫路出身)が「キャプテンでDFリーダーの小林がいなくて、いつも(小林に)頼ってしまう部分があったので、試合前から『自分たちでやらないといけない』と言っていた」というように、各選手が責任感のある戦いを見せた。

 CB平田大翔(3年)と、小林の代役として先発出場したCB尾崎凱琉(1年)が穴を埋めるようなプレー。川崎F内定FW永長鷹虎(3年)をはじめ、特長的な選手の揃う興國高にボールを保持される時間が増えていたが、「トレーニングでどうプレスを掛けていくか、共通理解を繰り返しやっている」(朝山)という大阪桐蔭は各選手の守備意識が高く、距離感が良い。相手のパスコースを限定し、高い強度でボールを奪い返していた。

 加えて、インターハイ予選準決勝で永長を無得点に封じた朝山がこの日も注目FWの前に立ちはだかった。「前回と同じようにカットインのところを意識していました。今日は特に間合いを意識していました」。この日、永長はインターハイ予選に比べて縦に仕掛ける回数を増やしていたが、ポジション練習で守備対応の部分を強化している朝山は相手の前に潜り込み、ボールを奪い取っていた。

「間合い開けていたらスピードで行かれてしまう。間合いも今日は上手く詰めれていたと思います」という納得のプレー。だが、後半31分、守備連係が乱れ、中央にポジションを移していた永長に決勝点を奪われてしまった。朝山は、最後甘さがあったことを反省。インターハイへ向けたメンバー決めも兼ねた試合でもあった大阪桐蔭は、ここから本大会までの1か月間で課題を改善し、チームを仕上げていく。

 永野悦次郎監督は「もっともっと(選手同士の)関係性大事にしていって、仕上げていきたい」と語った。インターハイ予選後、プリンスリーグ関西・三田学園高(兵庫、6月)戦でミドル弾を決めたMF藤澤壮汰(3年)や意外性のあるDF河合啓斗(3年)らもアピール。復帰する小林を含めて先発11名を懸けた競争を継続しながら、より幅を使ってボールを動かし、ギャップを突く攻撃や守備の質を高めていく。

 朝山はインターハイへ向けて「自分は守備が得意なので、守備で相手を止めて行ったら攻撃でも乗って来れると思う。自分の長所を全国大会でも出していきたい。インターハイは連戦になってくるので、まず一つ一つ勝つことを目標にして、組織で戦うことを心掛けてもっとチーム力を上げていきたい。目標は日本一です」と意気込んだ。5大会ぶりの出場となるインターハイ初戦の対戦相手は難敵・帝京三高(山梨)。その初戦から一戦一戦集中して勝ち上がり、初の決勝進出、そして日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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