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流れ引き戻し、最後までひたむきに戦った広島ユースがC大阪U-18とのプレミア勢対決制す!

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サンフレッチェ広島ユースがプレミア勢対決を制した

[7.25 日本クラブユース選手権(U-18)GS第1節 広島ユース 3-1 C大阪U-18 コーエィ前橋フットボールセンターC]

 高校年代のクラブチーム日本一決定戦、第45回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会が25日、群馬県内各地で開催され、熱戦の火蓋が切って落とされた。

 コーエィ前橋フットボールセンター(下増田運動場)CではグループEの試合が行われ、サンフレッチェ広島ユースセレッソ大阪U-18の強豪同士が対戦。照り付ける太陽の下で激戦を繰り広げた。

 共に高円宮杯プレミアリーグWESTに所属するチームのため、「3週間前に対戦したばかりで、少しやりにくかった」と広島のFW棚田遼(3年)が語った通りにお互いの戦い方は分かり合った上での対戦。その中で、広島は立ち上がりから攻守にアグレッシブなプレーを見せて、C大阪を圧倒していった。

 まずは3分、ゴール前で連続シュートのビッグチャンスを得た直後のCKだった。MF西村岳(3年)の蹴ったボールに、DF豊田将大(3年)が頭で合わせて先制点を奪い取る。さらに13分にはFW高柳英二郎(3年)の絶妙なパスから抜け出した棚田がGKとの1対1シュートを冷静に決めて、2点目を奪い取った。トップチームの練習参加で観た「柏好文さんのドリブルを参考にした」と言うMF越道草太(2年)が鋭い突破を見せるなど、個の強さも感じさせる好内容の立ち上がりだった。

 だが、前半の飲水タイムを経てから試合の流れは変わっていく。今季、風間八宏氏を「技術委員長」という新設のポストに迎え、「止める・蹴る」をベースにした技術重視のスタイルに大転換を図っているC大阪も反撃を見せる。「シーズン初めに比べ、見違えるほど良くなった」(島岡健太監督)というMF岡澤昂星(3年)らが中継点として機能してボールを運び、徐々に相手ゴールへ近づくシーンも増やしていった。26分にはその岡澤からのボールを受けて裏へと抜け出したFW金本毅騎(2年)の得点が生まれ、一気に試合の天秤が傾くかとも思われた。

 広島の高田哲也監督も「こういう流れのときにズルズルと悪いほうにいってしまうのはよくあるパターン」と懸念したと言うが、広島の選手たちは互いに声を掛け合って持ち直し、試合の流れを引き戻す。前半アディショナルタイムには、逆に相手ボールを奪ってからの流れで、最後はFW森夲空斗(2年)が決めて3点目を奪って突き放した。後半は暑熱の影響もあってタフな流れとなり、C大阪も交代出場のMF石渡ネルソン(1年)が守備で魅せれば、FW千葉大舞(1年)が決定的なシュートを放つなど反撃も見せたが、得点は生まれず。そのまま3―1で逃げ切った広島が、初戦を白星で飾った。

「あの3点目が大きかったし、あそこで崩れないで戦えたことに成長を感じた。たくましくなったし、ウチらしく最後までひたむきに戦い続けてくれた」と、勝った広島の高田監督は選手の奮闘を称えた。一方、敗れたC大阪の島岡監督はスタイルの転換に「どうしても時間はかかってしまうところがある」としながらも、「一人ひとりが技術に向き合うことで確実に変わってきているし、見えるモノが変わってきた選手も多い」と、あらためて全国舞台での選手たちのプレーに手応えも感じた様子だった。

 大会は28日までグループステージを戦ったあと、29日から決勝トーナメントを開始。8月4日に正田醤油スタジアム(群馬)での決勝戦でクラブユースの日本一を決定することとなる。

(取材・文 川端暁彦)
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