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[MOM3538]札幌U-18MF砂田匠(3年)_攻守に存在感を見せた主将が、札幌を栄冠に導く

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チームを勝利に導いた北海道コンサドーレ札幌U-18のキャプテン、MF砂田匠

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 日本クラブユース選手権U-18大会準々決勝 清水ユース 1-2 札幌U-18 コーエィ前橋フットボールセンターD]

 獅子奮迅とはこのことだ。

 プレミアリーグEASTで2位につける清水エスパルスユースを相手に、プリンスリーグ北海道に所属する北海道コンサドーレ札幌U-18の主将・MF砂田匠(3年=北海道コンサドーレ札幌U-15出身)は、ピッチ上で攻守において圧巻の存在を見せつけた。

「清水はプレミアでも上位の力があるチーム。キャプテンとして自分が中心となって闘う部分を出して、攻撃面でも主導権を持って散らしていくことは意識していました」

 立ち上がりから低い位置に留まらず、積極的に前に出ていき味方のサポートをし、攻撃に厚みをつける。中盤の守備ではセカンドボールの予測や寄せの速さを発揮していた。清水ユースの中盤に自由を与えなかったのは、このエリアで闘い続けた彼の存在が大きい。

 チームを勝利に導く2つのゴールにも絡んだ。18分、DF佐々木奏太(2年)から敵陣中央でパスを受けると、思い切りよく左足を振り抜く。ブロックに入ったDFに当たって変則的な軌道となり、ゴールに吸い込まれた。実は砂田、直前に清水ユース守備陣の出足の遅さが目についたため、積極的にミドルを狙おうと決めたのだという。

「1つ前の場面で相手が出てこないなと思ったので、1本思い切って打ってみようと」

 そして25分の追加点となったPK奪取も砂田が起点だ。左サイドでポゼッションのサポートに入り、受けてすぐさま中央でフリーだったMF佐藤陽成(3年)へ。佐藤のパスを受けたMF漆舘拳大(2年)がボックス内で倒された。

「今日は受ける前の準備が良かったので、落ち着いてボールを入れたりテンポを作りながらサイドに散らしたり、というのはできていたなと」

 この言葉の通り、とにかく受ける位置が絶妙で、空いているスペースを見つけて入り込む嗅覚が冴えていた。今年の4月に砂田と話をした際「前に関わってボールを受けたり配球するところが課題」と語っていたが、世代最高レベルの舞台で課題を克服するどころか、武器にしている姿を見せてくれた。

 短期間でここまで持ってこれるものか、と驚いたものだ。

 ただ、やはり彼の良さは守備に現れる。とにかくミドルサードでサボらず守備をする姿はチームに活力を与えてくれる。「今日も運動量があって、ここでハードワークしてくれたことがゴールと繋がった」と森下仁之監督も砂田の貢献度を讃えた。

 砂田はU-12、U-15、U-18と赤黒のユニフォームに袖を通して育ってきた生え抜きの選手だ。当然ながらクラブへの思いは強く、この大会を一つの集大成と考えている。

「このクラブで9年間お世話になっているので。最後の夏の全国大会でチームのために、主将としてコンサドーレのために戦いたいと思っています」

 育ったクラブへ最高の景色を見せるために、砂田は栄冠を手にするまで闘い抜く。

(取材・文 竹中玲央奈)
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