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奮闘した“代役”…DF橋岡大樹「酒井選手がいなくて負けたと言われるのは嫌だった」

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GK谷晃生と喜びを分かち合うDF橋岡大樹(シントトロイデン)

[7.31 東京五輪準々決勝 U-24日本 0-0(PK4-2) U-24ニュージーランド カシマ]

 誰もが、この試合に賭ける思いを持っていただろう。もしかしたら、その中で一番の思いを持ってピッチに立っていたのかもしれない。U-24日本代表DF橋岡大樹(シントトロイデン)は、延長戦を含めた120分間、チームの勝利のためだけにピッチ上を駆け回った。

 日本をアクシデントが襲ったのは、28日のグループリーグ第3節フランス戦だった。初戦から右SBの位置でプレーしてきたDF酒井宏樹(浦和)が、今大会2度目の警告を受け、準々決勝ニュージーランド戦は出場停止となってしまう。オーバーエイジとしてチームを支えてきた酒井の欠場は大きな痛手となるが、ここで燃えたのが橋岡だった。

「いつ出てもいいように、しっかり準備はしてきている」

 ニュージーランド戦では、右SBの位置に入って攻守に奮闘。果敢な攻め上がりで攻撃に厚みを加え、鋭いクロスで好機を生み出そうとする。そして、守備に回っても相手選手に激しく体を寄せて、自由を奪い取ろうとした。120分間を0-0で終え、勝敗の行方はPK戦に委ねられたが、GK谷晃生(湘南)の好セーブもあり、PK戦を4-2で制したチームは準決勝進出を決めた。

「やっぱり、酒井選手がいないで負けたと言われるのは嫌だった。自分の責任、役割は勝つことだけだと思っていたので、まずは勝利に貢献できたことがすごく嬉しい」

 3日の準決勝スペイン戦では、出場停止が明けた酒井が復帰する。だが、自身がやるべきことは変わらない。「何が起きるか分からない。常に良い準備をして、何かアクシデントがあったとき、酒井選手の代わりではなく、自分の良さを出せるようにしたい」と、いつピッチに立ってもハイパフォーマンスを披露できるよう、万全の準備をしていく。

(取材・文 折戸岳彦)
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