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外しても大丈夫!? PK4番手・麻也に5番手・遠藤が掛けた言葉

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U-24日本代表MF遠藤航(シュツットガルト)

[7.31 東京五輪準々決勝 U-24日本 0-0(PK4-2) U-24ニュージーランド カシマ]

 しびれる展開となったPK戦。しかし、守護神の活躍で少しだけ気持ちに余裕ができた。4番手となったDF吉田麻也(サンプドリア)に5番手の予定だったMF遠藤航(シュツットガルト)は声をかけていた――。

 5-3-2のシステムを採用して守備に重心を置いてきたニュージーランドは徹底していた。日本のトップ下に入るMF久保建英(レアル・マドリー)、ボランチの遠藤とMF田中碧(デュッセルドルフ)をマンツーマンで監視下に置いた。相手守備網を何とか迫ろうとするが、なかなかゴールは生まれず。

 後半はともに好機を生み出しながらも、両守護神の好セーブもあり、スコアが動かないまま試合が進んだ。結果、延長戦を含めた120分間を0-0で終えてPK戦に突入した。

 日本のキッカーは立候補で決まった。遠藤は「こういう舞台で蹴れるチャンスはない。自分が決めたいと思ったし、今日に関しては、そういう強い気持ちを持っている人が蹴ればいい。蹴りたいと言ったメンバーが最初に5人そろい、僕は5番目に蹴りたいと言った」と5番目のキッカーとなったようだ。

 始まったPK戦。先行ニュージーランド2人目のシュートをGK谷晃生(湘南)がストップすると、3人目のミスも誘う。対する日本はFW上田綺世(鹿島)、DF板倉滉(マンチェスター・シティ)、DF中山雄太(ズウォレ)と3人目まで全員が成功。ニュージーランドの4人目がシュートを決め、3-2となった状況でペナルティスポットに向かったのが吉田だった。

 吉田が決めれば4-2として勝利が決定。仮に失敗しても、相手5人目のシュートを谷がストップ、または5人目のキッカーである遠藤がきっちり沈めれば勝利を収める状況だった。そこで、遠藤は吉田に声をかけていたようだ。

「麻也さんには、外しても僕が決めるので大丈夫ですと言った。PK戦は、それくらいの余裕があればいいんじゃないかと」。その言葉を受けた吉田は「晃生が2本止めていてくれたし、航が『外しても大丈夫です』と言ってくれたので、ここ!と決めたところに蹴った」。見事に吉田のシュートがネットを揺らし、PK戦で4-2の勝利を収めたチームは準決勝進出を決めた。

(取材・文 折戸岳彦)
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