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[MOM3540]青森山田MF宇野禅斗(3年)_和倉ユースMVPのボランチは仲間を賞賛

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大会MVPに選出された青森山田高MF宇野禅斗

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 和倉ユース大会決勝 青森山田高 2-0 流通経済大柏高 七尾市城山陸上競技場]

 全国各地の計40チームによって争われた第9回和倉ユース大会のMVPは、優勝校・青森山田高(青森)のMF宇野禅斗(3年=青森山田中出身)が獲得した。

 宇野は「驚きました。自分としては藤森(颯太)があれだけサイドで走ってくれて貢献してくれたので、藤森だと思っていたんですけれども、その中でも自分のプレーを評価してくれて自分を選んでくれたのは、とても嬉しいです」とコメント。本人は自身のプレー含めて納得のMVPでは無かったというが、「チーム全員で優勝して、その結果、評価してもらったのは嬉しいですね」と微笑んでいた。

 決勝は前後半の早い時間帯にセットプレーで得点。一方で後半は流通経済大柏高にセカンドボールを拾われるなど主導権を握られ、押し込まれた。その中で光ったのは、宇野の守備。「自分がどれだけ足で稼いでやれるかだと思っていた」というMFが使命感を持って走ることで味方をカバーし、1対1でボールを奪い切っていた。

 終盤はPAで崩されるようなシーンもあった。だが、宇野を含めて各選手が飛び込んでくる相手にスペースを与えなかったり、身体を投げ出してパス、シュートを限定したことで掴んだ無失点勝利。宇野は「最後は(三輪)椋平や(丸山)大和あたりが身体を張ってくれて、GK沼田(晃季)もよくやってくれたので大きかった。最後の最後で山田の求めている『ゴールを隠す』だったり、『走らせない』だったりは取り組めていたかなと思います」とここでも仲間を讃えていた。

 昨年からのレギュラーはスーパープリンスリーグ東北や選手権で活躍し、日本高校選抜、U-18日本代表候補、そしてJ1、J2クラブへの練習参加も経験してきた。ただし、ブレイクした昨年の活躍については「自分が頑張ったというよりは、(青森山田の)先輩や仲間に助けられて自分の良さが引き出されたからだと思う」と分析。「それに慢心せずに、常に謙虚な気持ちを持って取り組んでいきたい」と口にする。

 最終学年となった今年は、先輩たちが自分をサポートしてくれたように、自分が周りの選手たちの良い部分を引き出す決意だ。「今年で高3になって色々な責任感というものが生まれましたし、その中で色々な経験をさせてもらったので、その経験をチームに還元したい」。年代別日本代表候補やJクラブで青森山田と異なるスタイル、スピード感を学んだきたボランチは個人として違いを出すことにこだわると同時に、チームが勝つために仲間の個の力を最大限引き出しながら、チームとして相手を上回っていくことにもこだわって行く考えだ。

 日本一を狙うインターハイは8月14日開幕。強豪・長崎総合科学大附高(長崎)との初戦では、経験者の一人として仲間を落ち着かせることを重視する。そして、「甘い試合は1試合もないと思う。一戦一戦全力で取り組みたい」。和倉ユース大会MVPのボランチは、全国制覇のためにどのような状況でも自分の役割を徹底し、仲間とともに白星を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
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